公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
生命活動のシステムを同定する上で重要となるオミックス間解析として,DNAのメチル化レベルや発現量,そして代謝産物の検出値のデータから,生命情報の因果関係を明らかにするための統計的手法の構築を行った.計測されたデータの一部は,時間経過あるいは遺伝子座標に応じて繰り返し観測値を得ているため,これらの情報を包括的かつ適切に扱うための統計モデルを構成する必要がある.まず,DNAのメチル化レベルと,その進行によって減少する転写産物の生成量についての関係をモデル化することで,両者の因果関係を明らかにすることを試みた.DNAメチル化レベルのデータは,複数の遺伝子座標において観測値が得られている.本研究では,メチル化レベルのデータを遺伝子座標の関数とみなし,関数データとして扱った.関数データを対象とした解析は,近年の統計学において繰り返し測定データを解析するための有効な手法として,幅広い分野で適用されている.そして,メチル化データと,転写産物の生成量との関係を,関数回帰モデルによって表現し,モデルに含まれるパラメータを推定し,得られたモデルを評価する方法を提案した.これにより,メチル化レベルと転写産物との関係性を表す係数曲線を得ることができ,遺伝子座標に応じた両者間の関係を考察できる.また,転写産物と,代謝産物の生成との関係を明らかにするための統計的アプローチも行った.転写産物と代謝の関係性の全体像は非常に複雑な構造を有しているため,本研究ではポリアミン代謝に着目し,主流となる代謝産物を中心とした代謝の関係性をモデル化した.転写産物,代謝産物は共に,時間の繰り返し測定データとして与えられているため,これらの関係を適切に表現するためのモデルを構築すべきであるが,今回計測されたデータは計測時点数が少なかったため,各時点で別個に解析を行った.上記研究成果は現在論文として執筆中である.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
International Journal of Oncology
巻: 46 号: 3 ページ: 1181-1191
10.3892/ijo.2015.2833
Computational Statistics
巻: 30 号: 1 ページ: 43-55
10.1007/s00180-014-0520-3
120005526397
Regenerative Therapy
巻: 1 ページ: 63-71
10.1016/j.reth.2015.01.001
Computational Statistics and Data Analysis
巻: 78 ページ: 176-185
10.1016/j.csda.2014.04.015
120005527740
http://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K004601/index.html