公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
視覚に基づいた抽象的なカテゴリはどのような神経メカニズムによって実現されているのでしょうか?ヒトはさまざまな物体に”生き物らしさ”を感じて(アニマシー知覚)、物体を動物と非動物のカテゴリーに大別できます。これまでの研究から特定の動きのパターンや表面のテクスチャパターンなど、この知覚に重要な視覚的物理パラメータや、関連する脳領域が示唆されています。しかし、複数の物理パラメータが知覚に関与する仕組みや複数の関連脳領域がどのように協調してアニマシー知覚を生み出す機序は不明です。視線解析等の行動学的な研究からサルにおいても同様のアニマシー知覚が存在することが示唆されています。そこで本研究では、概念的な質感の動物モデルとしてサルのアニマシー知覚を行動学的、神経科学的に検証することを目的としました。2頭のニホンザルを用いて、動物・非動物の動画の種類に応じて適切な記号を80%以上の成績で正しく選択できるように訓練を行いました。学習達成後、他の新規の動画例でも、記号と動画のカテゴリの割当が汎化するか検討しました。新規の例を導入した場合には初学習に比べて早く基準成績に達し、学習の節約が見られました。また1頭のサルでは初めてみた動画に対しても正しいカテゴリ分けができるようになることがわかりました。これらの結果は条件性反応だけでは説明できず学習の汎化が見られました。また上側頭溝内を含む下側頭葉皮質(ITC)と、内側部を含む前頭葉皮質(PFC)から皮質脳波記録を行い、動物の動き、非生物物体の動きが描出された2秒間の映像を呈示したときの応答を記録しました。 応答振幅はITC,PFCのそれぞれで特徴的な時間経過を示した。個々の刺激動画に対する選択性はどちらの領野でも、幾つかのピークを形成しながら上昇することがわかりました。カテゴリ応答選択性もやはり幾つかのピークを形成していました。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Neuroimage
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