配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2014年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2013年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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研究実績の概要 |
内耳蝸牛を満たす細胞外液「内リンパ液」は、150 mMの高K+濃度と+80 mVの高電位を呈する。この特殊なK+環境は、聴覚機能に必須であるが、その基礎としてK+動態の理解が欠かせない。我々は、K+イオン電極を作成し、内リンパ液の高電位の成立が、蝸牛の上皮組織「らせん靭帯」におけるイオン動態に基づくことを明らかにした。らせん靭帯には、Na+,K+APTaseとNa+, K+, Cl-共輸送体が発現しているが、これらの寄与は不明であった。具体的には、K+イオン電極を生動物のらせん靭帯に刺入し、そこでイオン輸送体の阻害薬であるウアバイン、ブメタニドを血管から潅流した。その結果、ウアバインではらせん靭帯のK+濃度が減少したのに対し、ブメタニドでは変化がなかった。本課題では、盛んなイオン輸送の場であるらせん靭帯のK+濃度が、主にNa+,K+APTaseによって維持されていることが明らかになった。さらに計算科学の手法を駆使して、定量的・理論的にこの実証を行い、実験結果の再現に成功した。
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