公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
心臓は個体の生存を維持するために電気的に興奮し拍動し続ける必要がある。この心臓電気的活動の頑健性(ロバストネス)は、心臓エネルギー代謝の頑健性と有機的に関連し維持されている。心臓の頑健性が破綻した状態である心不全においては、エネルギー代謝関連遺伝子の全般的発現低下が見られる。このような遺伝子発現変化は、飢餓状態やインスリン・シグナルの低下によっても引き起こされる。応募者は、心不全の進行過程において、全身の低栄養から心臓へのエネルギー基質供給が低下することにより、心臓の飢餓応答としてエネルギー代謝関連遺伝子の全般的低下が起こり、これがイオンチャネルなどへのエネルギー供給を低下させ、心不全悪化につながるとの仮説を立てた。本応募課題において、この仮説を分子レベルから臓器レベルまで多階層にわたり検討した。主にマウスを絶食にしたモデルを解析した。前年度には体重、臓器重量を測定し、心臓における遺伝子発現をマイクロアレーで、代謝産物量をメタボローム解析で網羅的に測定した。平成26年度には心機能の調節には、心臓以外の臓器の代謝も重要であると考え、主要代謝臓器である、骨格筋および肝臓について遺伝子発現をマイクロアレーで、代謝産物量をメタボローム解析で網羅的に測定した。また血液中の代謝産物量をメタボローム解析で測定した。血液、心臓、肝臓、骨格筋の代謝産物量は絶食において、それぞれ特徴的な変化を示した。また、心臓、肝臓、骨格筋の遺伝子発現を解析し、絶食に対して共通して変化する遺伝子群、または、臓器特異的に変化する遺伝子群を同定した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件)
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