公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
白血球が病原体を貪食し活性酸素を利用して退治する「自然免疫」は最も基本となる生体防御機構である。“武器”として使われる活性酸素は時として様々な疾病を誘発する“毒”ともなりうる生体内小分子である。そのため生体が活性酸素を利用するには多階層にわたる厳密な制御機構の存在が必要不可欠となる。本申請では生体で活性酸素を産生し利用している代表的なシステムである免疫系貪食細胞において、活性酸素産生制御に関わるH+チャネルに注目して、原子構造レベル・分子細胞レベル・組織臓器レベルと多階層に渡る機能解析を行い、生体におけるH+チャネルを介した生体防御機構を明らかにする目的で行う。本年度の達成:(構造機能レベル)前年度解析に成功したVSOPチャネルの膜貫通領域の結晶構造の論文を国際誌に発表した。その結晶構造を用いて、VSOPチャネルの2量体モデルを作成し、電気生理学的機能解析および分子動力学的シミュレーション解析を行った。亜鉛結合の動的構造基盤や、H+透過を生み出すであろう分子内の水分子の移動や、2量体間機能的相互作用の構造基盤を明らかにした。そのうちの一部に関して国際誌に発表した。(組織臓器レベル)VSOPノックアウトマウスの好中球を用いて解析を行った。刺激に対してエラスターゼ産生の亢進や、遊走性の亢進など、好中球の免疫応答が働き過ぎうまく制御されていない知見が得られた。研究結果を国際誌に発表した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 3件)
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