原子・分子のシミュレーションは、本来それらを量子力学で扱う必要があるが、計算コストが高いため、何らかの近似が必要とされる。近年、高計算コストな量子力学による計算結果を人工ニューラルネットワークで学習して高精度かつ低計算コストを実現する「機械学習分子動力学法」が提案された。この手法は、バルク系などの単純なスケールアップについてはうまくいくが、固液界面など大きな系に特有の構造が存在する系については、事前に学習データを用意することが難しい。本研究では、大きな系に特有な構造を量子力学による計算が可能な小さな系で実現し、学習データを自動で作り出して補完する「自己補完学習法」を提案し、実装する。
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