研究領域 | 生命分子システムにおける動的秩序形成と高次機能発現 |
研究課題/領域番号 |
26102514
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
内藤 晶 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (80172245)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2015年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2014年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | カルシトニン / アミロイド線維 / 固体NMR / 電子顕微鏡 / 分子動力学 / ヒトカルシトニン / アミロイド線維形成 / REDOR / 球状中間体 / βーシート構造 / 2段階自己触媒反応機構 / 線維形成阻害機構 |
研究実績の概要 |
カルシトニンはカルシウム代謝に重要な役割を果たしているペプチドホルモンであり、骨粗鬆症の治療薬としても使用されているが、高濃度中性水溶液中で容易にアミロイド線維を形成して沈殿する性質が知られている。本研究ではヒトカルシトニン(hCT)のアミロイド線維形成過程を解明するため、固体NMR、TEMおよび分子動力学計算の手法を用いて線維形成反応機構の解析、線維の立体構造決定を行い、hCT線維形成の分子機構を明らかにすることを研究の目的とする。 固体NMR信号の測定により、ヒトカルシトニンは2段階自己触媒反応機構でアミロイド線維が形成すること、中央部が線維形成の過程でαーヘリックス構造からβーシート構造に転移することを明らかにした。また、電子顕微鏡でHEPES溶液中での線維形成を観測したところ、線維形成前駆体として球状中間体の存在が明らかになった。さらに、球状中間体から線維が成長する過程を直接観測することに成功した。 次に、13C,15Nで二重標識したヒトカルシトニン線維を用いて、固体NMRにより精密原子間距離測定を行い、これまで明らかになっていない酸性条件で生成するヒトカルシトニンアミロイド線維の精密立体構造決定を行った。この結果、逆平行βーシートと平行βーシートが混在した線維構造をとっていることを示唆する結果が得られた。次に線維形成阻害剤として知られているクルクミンの線維形成阻害機構について固体NMR測定から解析し、核形成段階が阻害されることが判明した。ヒトカルシトニンとクルクミンの系について分子動力学計算を行い、クルクミンとヒトカルシトニンが相互作用を持つことが判明した。この結果は、クルクミンが核形成の段階を阻害する機構であることを指示している。 本研究によりカルシトニンの線維形成機構およびクルクミンによる線維形成阻害の分子機構が明らかになった。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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