公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
脂質ラフトは、コレステロールやスフィンゴミエリンに富んだ秩序の高い膜領域で、シグナル伝達のプラットフォームとして機能するなど生理的に重要な役割を果たしている。しかし、脂質ラフトは生成と崩壊を繰り返しつつ自己組織化しているため、その分子基盤や動的秩序は未解明である。申請者はこれまで安定同位体標識した脂質の化学合成とNMR解析を組み合わせる独自のアプローチで、脂質ラフトにおける脂質の動的挙動および分子間相互作用の解明に取り組み成果を挙げてきた。そこで、本研究では、脂質ラフトの蛍光観察を実現すべく、新規蛍光標識スフィンゴミエリンの設計および合成とその蛍光顕微鏡観察を行った。その結果、スフィンゴミエリンの動的秩序を完全に再現した蛍光スフィンゴミエリンの作成に成功するとともに、ラフト膜における脂質の側方拡散係数やラフトと非ラフト相への分配比を決定した。さらに人工膜ばかりでなく生体膜にも蛍光スフィンゴミエリンを作用させ、蛍光スフィンゴミエリンがその他の蛍光脂質に比べて、脂質同士の相互作用時間やラフト領域での滞留時間が長いことを明らかにした。このように、我々の開発した蛍光スフィンゴミエリンは、今後の脂質ラフト研究の進展に大いに資するものと確信している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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