公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
テーマ1)シグナル伝達スクリーニング系の構築と分子機構評価1-ii) Grb2分解の分子機構の解析を昨年度に引き続き継続した結果次のことを明らかにできた。1)Grb2は細胞内量が一定に保たれる機構を備えており、これによって、EGF刺激後のシグナル伝達が非常に効率よくかつ素早く行える仕組みになっている。2)刺激後、EGF受容体とともに内在化し、輸送系によって細胞内を移動した後、特定の部位で分解を受けていること、3)分解速度は、複数のプロテアーゼのバランスによって決まっている。またこれに基づいて、途中のステップの生物学的活性を検出できるイメージング実験系を樹立し、スクリーニングによって見いだされた新規化合物の標的部位を絞り込むための解析系を構築できた。テーマ2)海綿抽出ライブラリーからの天然リガンド探索2-i)EGF依存的Grb2分解調節を指標にしたスクリーニング:26年度の一次スクリーニングで見いだした粗抽出物の中から、活性が顕著で濃度依存性も明らかな4つの粗抽出物について分画を行い、2次スクリーニング、さらに活性を含む画分をより詳細に分画し3次スクリーニングを実施した結果、5種類の化合物を同定した。このうちステロイド骨格をもつ化合物、TW02216はすでに分子構造については報告があるが、生物学的活性については未知な化合物であった。2-ii)新規天然物リガンドの分子機構の解明:TW02216の詳細な分子機構を解析した結果、1)TW02216は、EGFの刺激後のEGFRの活性化と内在化を遅延させるが、完全に阻害する活性は示さないことが明らかとなった。2)TW02216は、細胞周期をG1期からS期への移行の段階で停止させる活性を持つことが明らかとなった。3)TW02216によるGrb2分解抑制にも細胞周期依存性があり、特にG1期において、強く阻害している可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 8件)
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