公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究が対象とする凝縮重電子系複合体のサンドイッチ多核Pd錯体について理論研究を行い、具体的には前年度の一次元π共役分子(カロテノイド分子)の理論解析からの発展によりベンゼンやシクロオクタテトラエンなど環状π共役分子を用いたサンドイッチ多核Pd錯体の理論解析に取り組んだ。特に、ベンゼン分子のみでサンドイッチしたPd錯体が安定に得られないのに対して片方をシクロオクタテトラエンにしたPd錯体は安定に得られる原理を凝縮重電子系複合体における電子論的な考察から説明を与え、これから同様の環状π共役分子を用いた新たなサンドイッチ錯体の分子設計に対し指針を得ることができた。また長波長の光エネルギーを三重項三重項消滅を利用してより短波長の発光に変換するフォトンアップコンバージョン現象のπ共役分子集合体における機構解明について理論研究を行った。具体的には溶液中ではフォトンアップコンバージョン現象が確認されなかった分子を集合化させることにより初めて現象が確認されるという凝縮重電子系複合体ならでわの凝集誘起フォトンアップコンバージョン現象について理論計算から機構を解明する事に成功した。特に分子の置換基効果から三重項の失活機構が大きく異なることが理論的に明らかになり、今後の凝集誘起フォトンアップコンバージョン材料に用いる分子の設計に対する指針を得ることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 12件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 7件)
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