研究実績の概要 |
2015年のLHC実験では十分なデータが得られなかったため, ヒッグスボソン結合の実験精度はあまり変わっていない. 一方で, 種々の異常なイベントが報告された. 特に本研究課題に関係するものとしては, 2TeV程度の質量を持つファットジェット対に崩壊する新粒子の可能性があった. この報告に即応して, 付加的なスカラーボソンによる新粒子の解釈を提唱した. 実験データを解釈するには新粒子もヒッグス機構に寄与することが必要であり, その結果として付加的なスカラーボソンと既に発見されているヒッグスボソンの相互作用の間には和則が成り立つ. そのため, 新粒子の相互作用はヒッグスボソンに対して実験的に許されている結合定数のズレを用いてその許される結合が決まる. したがって, 付加的なスカラーボソンでの解釈は強く制限される. LHC実験におけるさまざまな制限に加えてフレーバー実験による制限も調べ可能なシナリオを提示した.
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