公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ニュートリノ質量の絶対値測定と質量階層性の解明はニュートリノ研究のビッグテーマのひとつである。近年、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光の小角度(0.1˚スケール)にわたる非対称パターン「重力レンズ効果Bモード」の精密観測によって、ニュートリノ質量和を測定する手法が注目されている。しかしながら、望遠鏡の偏光角構成精度を向上しないかぎり、ニュートリノの階層性に迫れる精度での測定は難しい。本研究はその精度を向上する偏光角較正システムを開発する。幅広い観測周波数帯にわたって較正を行うためには、CMBと同じ黒体偏光源を使うことが最良の手段である。従来は偏光天体や人工的に偏波を発生する装置を用いて較正が行われてきたが、どちらも黒体偏光ではない。さらに、天体カタログの精度、装置のアライメントに困難があった。そこで、本研究は申請者が過去に開発した「まばらな金座億ワイヤーグリッド」を使った装置を発展させ、わずか一本の金属ワイヤーで較正する手法の開発を行ってきた。もちろん、世界初の試みである。昨年度は、実際の望遠鏡を用いたゲリラ的な較正試験を実際に行い、原理検証と従来手法に対する統計誤差一桁の優位性を実証した。本年度は系統誤差の研究に注力した様々な較正試験をチリ・アタカマ高地で観測を行っている望遠鏡を使って行った。ワイヤーをわざと斜めに張る、望遠鏡の中心軸からズラすなど、様々な系統誤差要因を誇張する試験実験をおこない、個々の系統誤差をどう洗い出して、軽減するかの研究を行った。その結果、目標としている精度達成の展望を得た。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
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http://cmb.kek.jp/