公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1)昨年度までに有機リン酸であるリン酸ジフェニルを触媒とした各種環状エステル類の無溶媒重合系の開発を行ってきた。今年度は、様々な分子構造を有する有機リン酸類縁体を触媒とした重合を検討した。その結果、リン酸フェニル二ナトリウムがラクチドの無溶媒開環重合において優れた触媒となることを見出した。リン酸ジフェニルを触媒としたラクチドの無溶媒開環重合には長時間を要していたが、今回新たに見出した触媒ではより短時間で分子量分散度の狭いポリ乳酸を与えることが明らかとなった。本重合系はポリ乳酸の環境調和型合成プロセスとして有用と考えられる。2)フォスファゼン塩基の一種であるt-Bu-P4とアルコールからなる重合系を用い、非直鎖状の構造を有する両親媒性ブロックコポリエーテルの精密合成を行った。本重合系は種々のエポキシドの開環重合において極めて有用であることがこれまでに明らかになっており、その知見をもとに様々な非直鎖状両親媒性ブロックコポリエーテルの合成へと応用した。本重合系を利用することではじめて分子量と分子量分散度が高度に制御された一連のブロックコポリエーテルを得ることができ、そのサンプルを使って非直鎖状構造と水溶液中での会合挙動の相関関係を理解すること出来た。ここで得られた知見は高機能性界面活性剤の開発などにおいて貢献するものと期待される。3)これまでに開発してきたジリン酸ジフェニル触媒による開環重合系を基盤として、新規ブロックコポリマーを開発した。具体的には、リン酸ジフェニルを触媒として末端官能基化ポリカプロラクトンを合成し、オリゴ糖との複合化を行った。ここで得られたブロックコポリマーは水溶液中ではナノパーティクル、固体中ではミクロ相分離構造を形成することが見出された。これらのナノ構造はDDS用キャリアやリソグラフィー材料として期待される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 謝辞記載あり 12件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (29件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件)
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