公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
(1) チオフェン環,ピロール環,ナフタレン環を反応部位として有するo-アルキニルビアリール系に塩基を作用させることで,ビニリデンo-キノンメチッド中間体の生成と続く分子内ヒドロアリール化を経て軸不斉を有するキラルなヘテロビアリール系が高選択的に生成することを見出した.さらに,シンコニジンをキラルな塩基触媒として用いる不斉ヒドロアリール化も達成した.不斉収率に改善の余地が残されているが,キラルな有機触媒を用いるアルキンの不斉ヒドロアリール化の新手法として興味深い知見が得られた.(2) 前年度に開発したフラン環を反応部位として有するo-アルキニルビアリール系の不斉ヨード環化生成物に対してp-トルエンスルホン酸を作用させることで,立体特異的な環構造の異性化を経て軸不斉を有するキラルなヘテロビアリール系が光学活性体として得られることを見出した。本手法(不斉ヨード環化+立体特異的環構造変換)はアルキンの形式不斉ヨードアリール化反応として捉えることができ,生成物が官能基変換容易なヨード基を有することから有機合成化学的に極めて有用である.(3) o-アルキニルスチルベン系に塩基を作用させることで,ビニリデンo-キノンメチッド中間体の生成と続く分子内[4+2]環化付加反応を経て擬アズレン誘導体およびフェナレノン誘導体が生成することを見出した.また,ビニリデンo-キノンメチッド中間体の環化付加は非協奏的に進行するが,2つの結合形成過程はほぼ同時に起こる可能性が高いことを示すことができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 5件、 招待講演 7件)
Chemistry Letters
巻: 44 号: 10 ページ: 1268-1283
10.1246/cl.150747
130005101475
Inorganica Chimica Acta
巻: 430 ページ: 239-244
10.1016/j.ica.2015.03.008
ARKIVOC
巻: 2015
有機合成化学協会誌
巻: 72 号: 10 ページ: 1131-1142
10.5059/yukigoseikyokaishi.72.1131
130004706655