公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、蛍石構造を有するHfO2基の薄膜において、これまで報告されたことのない強誘電性の発現機構を世界に先駆けて解明することを目的としている。この物質は、“膜厚の減少に伴って強誘電性が増加する”という従来の強誘電体薄膜にはない興味深い特長を持ち、その機構解明に先鞭をつけることは、強誘電体の研究分野に新展開をもたらすと期待される。最終的には解明した発現機構を基に検討した探索指針を用い、“新たな組成と結晶構造を有する強誘電体物質群の創出”を目指す。本年は以下の成果を得た。1) YSZ基板上に(100)および(111)の2方位の0.07YO1.5-0.93HfO2膜を作製した。その結果、(100)の方位の膜の方がより広い範囲で強誘電相が出現することが明らかになった。2) (100)配向したエピタキシャル膜では基盤との格子整合によって、分極の方向を制御できることが明らかになった。3) Si基板上に、ITOをバッファー層とすることで(111)配向した一軸配向した膜を作製することに成功したこの膜は、気相から直接結晶化する方法と、室温製膜後の後処理による方法の両方で作製できた。得られた膜の強誘電性は、YSZ基板上に作成したエピタキシャル膜とほぼ同じであった。4) ITO/(100)YSZ基板上に作製した膜について、電界印加前後の結晶構造と強誘電性の評価を行った。その結果、電界の印加によって90°ドメインが反転している可能性が示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Appl. Phys. Lett.
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10.1063/1.4927450
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http://f-lab.iem.titech.ac.jp/f-lab.htm