公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ぺロブスカイト酸化物ABO3では,Aサイトカチオンのイオン半径が小さくなると,BO6八面体回転に基づく構造不安定性が生じるが,代表者はこれを高圧合成により安定化させて特異配位環境を実現し,新物性・機能の創出を目指している.これまでの研究から,(1) ScFeO3のように,希土類イオンの中で最もイオン半径の小さなSc3+がAサイトを占有するとき,Scの配位数は6となり,ScO6八面体がFeO6八面体と面共有する結果,ぺロブスカイト派生のA3+B3+O3極性酸化物(LiNbO3型構造)が安定化されること,(2) MnCu3V4O12のように,イオン半径の小さい2種類の3d遷移金属(MnとCu)がAサイトで秩序化するとき,CuO4の平面四配位とMnO12の正20面体十二配位を有するぺロブスカイトが得られること,を見出している.前年度は10GPa以上の超高圧条件を用いて物質探索し,LiNbO3型酸化物InFeO3とAサイト秩序型ペロブスカイト酸化物CuCu3V4O12等の新物質を合成した.本年度はこれを拡張して物質探索し,ペロブスカイト型ACoO3 (A = Sc, In)を合成することに成功した.放射光X線回折ならびに中性子回折測定を用いた構造解析から,これらの化合物は直方晶(空間群Pnma)ペロブスカイト型構造であることがわかった.加えて,磁化測定から室温以下においてCoは低スピン状態であることが明らかになった.ペロブスカイト型コバルト酸化物RCoO3 (Rは希土類)は温度上昇によりスピンクロスオーバー,あるいはスピン転移を示す物質群として知られている.スピン転移温度はAサイトカチオンのイオン半径に依存して変化するため,新物質ACoO3 (A = Sc, In)のスピン転移を調べることは興味深い.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 3件、 査読あり 13件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 備考 (2件)
Adv. Electron. Mater.
巻: 2 号: 1
10.1002/aelm.201500196
J. Am. Chem. Soc.
巻: 138 号: 9 ページ: 3211-3217
10.1021/jacs.6b00088
Angew. Chem. Int. Ed.
巻: 54 号: 37 ページ: 10870-10874
10.1002/anie.201504784
Inorganic Chemistry
巻: 54 号: 4 ページ: 1501-1507
10.1021/ic502486e
Chem. Mater.
巻: 27 号: 18 ページ: 6354-6359
10.1021/acs.chemmater.5b02374
Nature Chem.
巻: 7 号: 12 ページ: 1017-1023
10.1038/nchem.2370
超音波TECHNO
巻: 27 ページ: 5-9
巻: 54 号: 2 ページ: 516-521
10.1002/anie.201408483
Journal of the American Chemical Society
巻: 136 号: 43 ページ: 15291-15299
10.1021/ja507958z
Physical Review Letters
巻: 112 号: 18
10.1103/physrevlett.112.187602
Appl. Phys. Lett.
巻: 104 号: 11 ページ: 112408-112408
10.1063/1.4868638
120006683954
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 53 号: 5S1 ページ: 05FJ07-05FJ07
10.7567/jjap.53.05fj07
210000143854
Nat. Commun.
巻: 5 号: 1
10.1038/ncomms5553
120005462600
CrystEngComm
巻: 16 号: 41 ページ: 9669-9674
10.1039/c4ce01268b
http://dipole7.kuic.kyoto-u.ac.jp/