公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究は、大別して、i) 1細胞レベルで制御された多機能性3次元皮膚モデルの高速構築とii) 多機能性皮膚モデルを用いた複合的機能発現の2項目から構成される。これまでの結果と研究の進捗について、以下報告する。i)「 1細胞レベルで制御された多機能性3次元皮膚モデルの高速構築」では、「細胞表面へのナノ薄膜形成装置」および「細胞プリント装置」のプロトタイプを企業との共同研究で開発した。厚さ約50 mmの真皮層構造を作製する場合、10層分のコーティングされた線維芽細胞を24ウェルにおよそ20分間で吐出可能であり、その後に1日培養することで組織体が得られる。また、真皮層の上に表皮層を形成する場合、1層分のケラチノサイトを24ウェルに形成すれば良いため、約2分間の吐出で完了する。しかし、その後、分化誘導に約1週間が必要であるため、高速構築のためには培養期間が律速となる。また、これまでの細胞表面へのナノ薄膜形成では、1時間近くの処理が必要であった。収率も60~70%程度であり、約18回の遠心分離で細胞膜へのダメージも懸念された。そこで、新しい三次元組織化手法を考案した。5分以内の処理で容易に三次元組織体が構築可能であり、高い収率かつ低ダメージである。本手法は、新しい高速構築のための良い手法となることが期待される。ii) 「多機能性皮膚モデルを用いた複合的機能発現」では、これまで、真皮構造の毛細血管へのがん細胞の浸潤と移動や、免疫原を補足して活性化した樹状細胞の毛細リンパ管への侵入などの複合的機能を報告してきた。今回、細動脈-毛細血管-細静脈の一連の血管構造を三次元組織体内部に造形し、外部から送液可能な技術の開発に取り組んだ。直径100-200 umの細血管構造が三次元組織体内部に造形できることが示唆された。新しい血管網構築技術として期待される。以上より、当初の予定通り研究を進めることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件、 招待講演 10件) 図書 (3件) 備考 (2件) 産業財産権 (5件)
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