配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2015年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2014年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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研究実績の概要 |
末端に様々な官能基が導入された[1]ロタキサン型アンカー分子を合成するために, それらの共通のプラットフォームとなるアンカー分子前躯体を設計した。本分子は基板への接合部位に変換可能な亜リン酸エステル部位とその逆の末端にヨウ素基を有しており、このヨウ素部位をカップリング反応の反応点として利用可能である。合成したアンカー分子の溶液にITO基板を浸漬させることで, 亜リン酸基を介した基板上への化学的な接合を試み,AFMによる基板表面の形状観察を行った。比較的分子間で弱い相互作用が働くと考えられるフェロセン部位を有するアンカー分子では、AFM画像において分子の高さ(約2 nm)に相当する構造体が観測された。また浸漬溶液濃度を変化させた際, 濃度の増加に従って基板上の接合密度が増大し, 被覆効果により単分子性を維持したまま, 高密度に界面を共役分子により修飾できることが明らかとなった。基板上における分子接合密度を算出するために分子接合させたITO基板に対してサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。得られたボルタモグラムからフェロセンに由来する可逆な酸化還元波が確認され,ITO基板へのアンカー分子の接合が電気化学的にも確認された。電位を50周掃引してもこのボルタモグラムにほとんど変化はなく,安定なレドックス応答性を有することが分かる。また、3c-insの浸漬濃度を変化させた際の分子接合密度の変化についても調査した。その結果、浸漬濃度の増大に従って接合密度の値が収束していく結果が得られた。
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