公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
昨年度までに筋ジストロフィーの原因遺伝子産物(TMEM5、FKTN、FKRP、POMK、ISPD)のノックアウト細胞を樹立した。本年度は、これらノックアウト細胞にαジストログリカンを発現させ、質量分析により、リコンビナントタンパク質上の糖鎖の構造解析を行った。その結果、本糖鎖の還元末端構造であるリン酸化3糖構造(Man-(phospate)-GlcNAc-GalNAc)の先に、リビトールリン酸が2つタンデムに結合し、その還元末端にさらにキシロースとグルクロン酸が結合した配列を見出すことができた。ISPD、FKTNおよびTMRM5のノックアウト細胞にはリン酸化3糖構造先にリビトールリン酸の付加がおきていないことから、第一番目のリビトールリン酸の付加に関与していることが考えられる。またFKRPのノックアウト細胞にはリビトールリン酸1残基の付加が認められたことら、FKRPは2つ目のリビトール付加を担っていることが予想される。こうした結果は、ごく最近報告された論文(Kanagawa et al. Cell Reports 14, 2209–2223)の結果と一致するものであった。その一方で、プルダウンアッセイにより、FKTN、FKRP、TMEM5が3者複合体を形成していること、TMEM5がLARGEと相互作用していることを明らかとした。先行研究により、LARGEとB4GAT1が相互作用していることが報告されていることから、ゴルジに存在する原因遺伝子産物は、大きな複合体を形成していることが考えられる。このような、ラミニン結合性糖鎖の生合成に関わる酵素群が複合体を形成し、複雑なラミニン結合性糖鎖の生合成過程を担っているものと予想される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 図書 (1件)
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