公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
低分子量G蛋白質Rabは真核生物に普遍的に保存された膜輸送の制御因子で、高等哺乳動物では60種類以上の異なるRab分子が存在し、様々なタイプの膜輸送を制御している。ダイナミックな膜動態を伴うオートファジーも例外ではなく、近年複数のRab分子やそれらの制御因子のオートファジーへの関与が報告されているが、Rabによるオートファジー制御の仕組みは未だ不明な点が多い。当研究室ではこれまで、独自に開発したRabの網羅的解析ツール『Rab panel』を駆使して、オートファジーのダイナミックな膜動態の制御機構の解明に取り組んで来た。その過程で、Rab33Bの不活性化因子・OATL1がLC3との結合を介してオートファゴソーム上にリクルートし、その成熟過程に関与することを明らかにしている。しかし、OATL1のターゲットとなるLC3はオートファゴソームの内膜と外膜の両方に分布しているにも拘わらず、OATL1はp62とは異なりオートファジーによる分解を受けていなかった。そこで本年度は、オートファゴソームに局在するOATL1がどのような仕組みでオートファジーによる分解を回避しているのかを明らかにするため、OATL1(N末端側からPB1様ドメイン、LIR (LC3 interacting region)、TBCドメイン)とp62(N末端側からPB1ドメイン、LIR、UBAドメインなど)の詳細な比較解析を行った。その結果、OATL1のPB1様ドメインはp62のPB1ドメインとは異なり、オリゴマー化能を欠損していることを見出した。また、強制的なオリゴマー化ツールを用いた解析から、オリゴマー化したOATL1変異体はオートファゴソーム開始点に集積し分解を受けるが、オリゴマー化能の無いOATL1はオートファゴソームの外膜に特異的に局在することが明らかになった(Autophagy, 2016)。本研究により、LC3結合分子のオートファゴソーム局在(両側の膜 vs 外膜のみ)がオリゴマー化能の有無で規定されている可能性が強く示唆された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 8件、 謝辞記載あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/teacher/t_fukuda/