公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1. ミスフォールドタンパク質の核外運び出しに関与する因子の同定:哺乳類培養細胞を用いて、ALSの原因変異であるSOD1、TDP-43、アルツハイマー病で蓄積するTauの細胞内局在、凝集形成、発現量を指標としたヒトゲノムワイドsiRNAスクリーニングを各々実施した。その結果、SOD1の核外排出に関与する因子、Tauの凝集形成に関与する因子、TDP-43の分解に関与する因子をいずれも複数同定することに成功した。2. ミスフォールドタンパク質の細胞内動態に影響を与える因子の神経変性における病態生理的意義の解析:神経変性・神経細胞死における病態生理的役割を、線虫・ショウジョウバエのモデル生物個体を用いた解析により解明を進めた。プロテアソーム機能減弱ハエ系統に対して、網羅的に過剰発現系統を交配することにより、構造異常タンパク質の細胞内動態に影響を与える新規因子の同定を試みた。その結果、変異SOD1やTDP-43の細胞内凝集形成およびそれに伴う神経変性を抑制する因子Xの同定に成功した。X遺伝子欠損マウスの作出にも成功し、現在ALSモデルマウス(SOD1 G85Rトランスジェニックマウス)と交配し、表現型を観察中である。3. 神経細胞内で生じる異常タンパク質はユビキチン化されプロテアソームにより分解される。プロテアソームにはユビキチン化タンパク質受容体が2つ存在する。各欠損マウスの解析により、両者は主に縮重的に働いているが、各受容体にのみ捕捉されるタンパク質も存在することを明らかにした。また、長寿遺伝子として知られるSIRT1は多機能な脱アセチル酵素であり、HSFを活性化することも知られている。SIRT1欠損マウスや細胞においてユビキチン化タンパク質の蓄積や短寿命タンパク質の分解が見られることなどから、SIRT1がHSFやHspに依存しないタンパク質品質管理に関与していることを示した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
Molecular and Cellular Biology
巻: 36 号: 2 ページ: 347-362
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http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~tanpaku/