公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
マウス胎生期脳の嗅索形成を担う新規分子LOTUSは、Nogo 受容体(Nogo receptor-1: NgR1)と相互作用し、Nogoなどの5種の神経再生阻害因子をリガンド分子とするNgR1の拮抗物質として機能する。近年、多発性硬化症(MS)では、自己免疫性脱随による神経変性の進行にNogoとNgR1の相互作用が深く関わることが多々報告され、NgR1の機能制御は重要な研究課題になる。そこで本研究では、内在性NgR1アンタゴニストLOTUSとMS病態との関係を解析してMSの新しい病態機序を解明することを目的とし、MSの病態モデル動物(実験的自己免疫性脳脊髄炎:EAEマウス)においてLOTUSの発現変動との関連性を調べたり、LOTUSのリンパ球における反応性を検討したりする。最初に、EAEマウスから得たリンパ球とLOTUSとの相互作用はIL-17産生を惹起して免疫応答を増強させることが判明した。また、LOTUS遺伝子欠損(LOTIS-KO)マウスとLOTUS過剰発現(LOTUS-TG)マウスにおいてEAEを誘導したところ、予想に反して、LOTUS-KOマウスでは野生型マウスに比してEAE発症が遅れ、LOTUS-TGマウスでは逆にEAE発症が増強された。これらのことは、LOTUSが過剰に存在するとMS様病態が悪化し、LOTUSが減少することで病態改善が見られることを示し、MS発症初期においてはLOTUSが治療ターゲットとなることを示唆する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
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