公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
ゼニゴケmicroRNAに関する研究として、CRISPR/Cas9技術を用いてmicroRNA遺伝子座に欠失や挿入を持つ変異体を作出した。これらのmicroRNA変異体は、重篤な形態異常を引き起こした。miR160変異体は葉状体が扁平にならず、波打つ表現型を示した。miR166変異体は、正常に葉状体を展開することができなく、極度に矮小化した。miR319変異体では、杯状体および無性芽が欠如した。miR529c変異体は、葉状体が雄器床様に分化する表現型を示した。これまでの植物microRNA研究では、microRNA遺伝子座の数が多いために欠失変異体は得られていない。そのため、これらの作出したゼニゴケmicroRNA欠失変異体を用いることで、未知の植物microRNAネットワークが見つかると期待される。シロイヌナズナにおける新たなmicroRNA ネットワークに関わる因子としてtudorドメインタンパク質であるTARPに関する研究を行った。今年度の研究によりトランスポゾンをターゲットとするsiRNAの減少及びトランスポゾンDNA配列の脱メチル化の亢進を確認した。これらの結果は、TARPタンパク質が新規DNAメチル化経路に関わる因子であることを示唆している。一方、マイクロアレイ解析からtarp欠失変異体では発生、気孔分化、RNA依存的DNA メチル化、クロマチンリモデリングなどに関わる因子のmRNA発現量が減少していることを見出した。免疫沈降実験によりTARPタンパク質とヒストンの結合も確認されているため、TARPタンパク質がクロマチンリモデリングに関わる可能性も示唆される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 3件)
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