公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
植物のRタンパク質群は病原因子由来の物質を認識して免疫反応を引き起こすが、各々のRタンパク質は特異的な因子しか認識せず、ゲノムに有限個のR遺伝子しか存在しないので、新たな病原因子には新たなR遺伝子が生まれない限り対応できない。しかし、高等植物の遺伝子の変化は進化的なタイムスパンでしか捉えられない現象であることから、R遺伝子の多様化メカニズムに実験科学的に迫った知見はほぼ皆無である。本研究では、R遺伝子の多様化現象に実験科学的に迫るユニークな系を発見したことを受け、上記の現象について実験科学的な知見を得ることを目的とした。これまでに、uni-1D変異体では、R遺伝子の一つであるUNI遺伝子で高頻度に変異が起こることを見出し、同様の変異現象をゲノムワイドに解析することを目指してきた。しかし、昨年までに進めた手法では、将来的に種となって次世代に遺伝する変異しか捉えられない、という欠点が存在した。そこで今年度は、体内の体細胞の各々に別個に導入される変異を、変異の内容(機能獲得、機能欠失、アミノ酸の変化を伴わない変異)を問わずにモニターできる新方法論の開発を行った。野生型の植物体全体から採取したゲノムを用いて、ゲノム内のUNI遺伝子を含む複数のR遺伝子群といくつかのハウスキーピング遺伝子群を特異的に濃縮したのちに、次世代シークエンサーを用いて約3万のDepthでシークエンスを行ったところ、UNI遺伝子に加えてUNI遺伝子と配列の類似したUNI-LIKE遺伝子群ではハウスキーピング遺伝子群よりも変異頻度が上昇していた。またその際の変異箇所は5’領域とコーディング領域に集中していた。これらの結果は、UNI遺伝子ファミリーは野生型背景でそもそも早く変化しており、この現象を駆動する仕組みの存在が示唆される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Plant Cell Physiol
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