公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
被子植物であるシロイヌナズナにおいて、父母因子の制御下で胚発生を担うしくみを理解するべく、父母の両方から受精卵に持ち込まれて体軸形成を制御するWRKY2転写因子と父親(精細胞)からのみ持ち込まれる偽キナーゼであるSSP、母親(卵細胞)のみに由来するHDG11/12転写因子の三者に着目して研究をおこなった。それぞれの相互作用を詳細に判定するとともに、各因子の変異体や機能改変株を用いて精査した結果、これらが協調的に働くことで、WOX8遺伝子の転写が活性化され、受精卵の極性や胚の体軸が確立されることが明らかになった。具体的には、SSPによって受精卵で活性化されるMAPキナーゼ経路によってWRKY2がリン酸化されること、および、リン酸化によって活性化されたWRKY2と、HDG11/12がともにWOX8遺伝子のプロモータに直接結合してWOX8の転写を促進すること、さらに、生み出されたWOX8タンパク質が受精卵の極性化と胚のパターン形成を担うことを見出した。最終年度では、この成果をまとめ、国際誌に発表した(Ueda et. al., 2017)。また、受精卵が極性化する動態や、胚の体軸形成の詳細を理解するべく、受精卵内部や胚発生様式をライブイメージングする系を立ち上げたこの系により、受精卵が極性化して非対称分裂に至る際の細胞内動態(頂端-基部軸の獲得)や、胚内部の各部位が異なる発生運命を獲得する過程(体軸に沿ったパターン形成)の可視化に成功し、これらの成果についても、国際誌や国際学会で公表した(Gooh et. al., 2015; Kimata et. al., 2016)。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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http://www.itbm.nagoya-u.ac.jp/ja/research/2016/11/Ueda-Asymmetric-CD.php
http://www.itbm.nagoya-u.ac.jp/ja/research/2017/04/GandD-Parents.php