公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
多くの動物において、生殖細胞の形成・分化は卵形成過程で合成され卵内に蓄積する母性因子の作用により制御される。国内外の研究により、ショウジョウバエにおいて生殖細胞の形成・分化に異常を示す母性効果変異が数多く単離されてきた。しかし、生殖細胞の形成・分化を直接指揮する因子はごく少数しか同定されておらず、数多くの因子が未同定であると予想されている。そのような未同定因子は、生殖幹細胞維持や卵母細胞決定などにも必須の機能を持つために突然変異体が卵形成不全となり、従来からの遺伝学スクリーンでは単離することができなかったためと予想される。このような背景のもと本研究では、新たに確立した解析技術を用いて、生殖細胞の形成・分化に関わる新規因子の同定を行った。具体的には、卵形成過程中後期で発現するGAL4系統を用いたRNAi誘導によるノックダウンスクリーニングを進め、生殖細胞形成・分化に異常を示す母性因子をスクリーニングした約1300系統をスクリーニングした結果、胚発生期において生殖細胞の形成や振る舞いに異常を示す系統を20得た。これら一次スクリーニングで得ている系統の中には、翻訳開始因子や転写因子を標的とする系統が複数含まれるなど、機能的にグループ化できる可能性が示された。また、CRISPR-Cas9を利用したGFPノックイン技術とGFP融合タンパク質を特異的にユビキチン化し分解誘導する技術とを用いて、GFP融合タンパク質を胚発生初期の生殖細胞で特異的に分解するシステムを確立した。この系を用いて、mRNAが生殖質に局在する事がわかっているが生殖細胞形成・分化における機能が未知の因子について、GFPノックイン系統を作成して生殖細胞特異的にノックダウンした際の影響を解析した。10以上のGFPノックイン系統を作製して解析をした結果、生殖細胞の形成や生殖巣への移動に異常が観察される遺伝子を見出した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (2件)
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http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/bunya_top/germline_development/
http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/divisions/germline_development/index.html