公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
遺伝情報の伝達は染色体の空間的制御によって成立しており、この制御にはゲノムの大部分を占める非コードDNA領域が主要な役割を果たしている。本研究では、紡錘体微小管との相互作用(末端結合 vs 側面結合)という観点から、セントロメアを中心とした非コードDNA領域による染色体の動態制御機構を明らかにすることを目的とする。H26年度には染色体が紡錘体上を移動する分子機構について、染色体腕部に局在するKidおよびキネトコアに局在するCENP-Eという2つのモーター分子が微小管の安定性に応じて互いに相補的に機能することを明らかにした(Nat Commun, 2016)。H27年度には以下のような成果が得られた。1.側面結合の分子機構 モーター分子ダイニンおよび紡錘体チェックポイント分子Mad1, Mad2のキネトコア局在に関与するRZZ複合体が側面結合に関与することが判明した。2. 側面結合から末端結合への移行の過程とその機構 微小管結合因子CLIP-170がモーター分子ダイニンのはたらきに対抗して、キネトコアを微小管末端へとつなぎとめる作用を有することが明らかになった(FEBS Lett, 2015)。この結果は、CLIP-170が側面結合しているキネトコアを微小管末端につなぎとめることによって、末端結合への変換を促進している可能性を示唆していると考えられた。3. 側面結合・染色体腕部への結合が染色体分配の正確性に果たす役割 側面結合した染色体の移動に関与するモーター分子Kidの発現を抑制した細胞では、染色体分配自体は起こるものの染色体整列の時間の遅延が認められた。このような細胞では染色体分配異常や微小核の出現が認められ、染色体不安定性がひきおこされていることがわかった。このことは、細胞生存に重大な影響を及ぼさない側面結合や染色体腕部への結合が、染色体分配の正確性に関与することを示唆していると考えられた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件) 備考 (4件)
Hum Mutat
巻: 37 号: 4 ページ: 354-358
10.1002/humu.22952
J Exp Clin Cancer Res
巻: 35 号: 1 ページ: 38-38
10.1186/s13046-016-0332-0
細胞工学
巻: 35 ページ: 95-95
Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - General Subjects
巻: 1850 号: 9 ページ: 1676-1684
10.1016/j.bbagen.2015.04.013
FEBS Lett
巻: 589 号: 19PartB ページ: 2739-2746
10.1016/j.febslet.2015.07.036
eLS
巻: - ページ: 1-11
10.1002/9780470015902.a0001356.pub2
血液内科
巻: 71 ページ: 712-717
細胞
巻: 47 ページ: 212-214
Nature Communications
巻: 6 号: 1 ページ: 6447-6447
10.1038/ncomms7447
Journal of Cell Science
巻: 127 ページ: 2818-2824
10.1242/jcs.150755
http://www.idac.tohoku.ac.jp/index.ja.php
http://www2.idac.tohoku.ac.jp/dep/molonc/index.html
http://www.idac.tohoku.ac.jp/ja/activities/research/molecular_oncology/index.html