公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
光で記憶を操作可能にする新規ケミカルプローブの開発を目指して以下の成果を得た。狙った細胞種選択的に光活性化できるGal-BhcおよびMCPCM-Bhc-ケージド化合物を開発した。いずれも,光分解性保護基にさらに別の鍵を掛けることで,その光感受性を改変して光活性化できない状態にロックしておく(第一の鍵の設定)。その鍵を,特定の酵素に反応して開くように設計しておけば,その酵素を発現している細胞内だけで光活性化能を獲得し,光照射(第二の鍵)によって機能を発現できるようになる。Gal-Bhc基はベータ -ガラクトシダーゼを,MCPCM-Bhc基は豚肝臓エステラーゼ(PLE)によって第一の鍵が開くように設計してある。領域内共同研究として,齊藤領域代表のグループと共同研究を行った。非侵襲的にドーパミン作動性神経(DA)の働きを制御するケミカルプローブの作成をめざし,MCPCM体の合成法の最適化を行った。リアノジンレセプターの選択的アゴニストである4-Cmc,DOPA decarboxylaseの阻害剤である3-iodotyrosine,細胞内タンパク質合成を止めるcycloheximideのMCPCM体を合成した。PLEとの反応性,生理的環境を模倣した緩衝溶液中での安定性を明らかにした。さらに,MCPCM体への変換を適用できる官能基として,ヒドロキシ基とカルボキシル基が望ましいこと,アミノ基を変換した化合物はPLEと反応しても母体の化合物に戻らないことを明らかにした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
Bioorg. Med. Chem. Lett.
巻: 25 号: 16 ページ: 3172-3175
10.1016/j.bmcl.2015.05.095
Tetrahedron
巻: XX 号: 29 ページ: 4400-4404
10.1016/j.tet.2014.04.063