随伴性検出メカニズムを基盤とした共感性の発達

• 研究領域: 共感性の進化・神経基盤
• 研究課題/領域番号: 26118502
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 複合領域
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 開 一夫 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (30323455)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2016-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2015年度)
• 配分額: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円); 2015年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円); 2014年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
• キーワード: 社会脳 / 認知科学 / 随伴性検出 / 発達科学 / おしゃぶり型デバイス / 吸啜行動

研究実績の概要

本研究は、共感性の発達認知神経科学的理解とそれをサポートするための新たな実験パラダイムの創出を目的として実施された。具体的６ヶ月前後の乳児を対象とした発達認知科学的実験を行うことで、以下の３つの研究目標の達成を試みた。【目標1】四肢による運動を前提としない「情報デバイス」を構築すること【目標2】社会的随伴性検出に関わる脳活動レベルの指標を確立すること　【目標3】「情報デバイス」と「脳活動指標」を用いて共感性の発達起源を明らかにすること
従来の乳児研究が一方向的に刺激を与えて被験児の反応を分析するのに対し、本研究の特徴は、能動性に着目した相互随伴的なやり取りに焦点を当てたことである。これにより、自身の意思や意図を表出することが困難である乳児の随伴的相互作用経験を分析するための認知科学的基盤を形成できた。
本研究で得られた主な研究成果として、「デジタルおしゃぶり」を用いることで、６ヶ月時であっても自己運動に随伴したフィードバックとそうでない刺激を弁別可能なことが示された。この成果は共感性領域における重要な研究課題の１つである「共感性の個体発生メカニズム」に発達科学的知見を与えるものである。得られる成果は国内外の学会で発表済みであり、現在国際紙に投稿中である。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] EEG-based mu rhythm suppression to measure the effects of appearance and motion on perceived human likeness of a robot (2016)
  • 著者名/発表者名: Matsuda, G., Ishiguro, H., & Hiraki, K.
  • 雑誌名: Journal of Human-Robot Interaction 巻: Vol. 5 ページ: 68-81
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 乳児における共感の発達ーその認知基盤と神経基盤ー (2015)
  • 著者名/発表者名: 板倉昭二・開一夫
  • 雑誌名: 心理学評論 巻: Vol.58 ページ: 345-356
  • NAID: 130007397804
  • 査読あり
• [雑誌論文] Infant discrimination of humanoid robots (2015)
  • 著者名/発表者名: Matsuda, G., Ishiguro, H., & Hiraki, K.
  • 雑誌名: Frontiers in Psychology 巻: 6: 1397 ページ: 1-11
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Near-infrared spectroscopy (NIRS) in functional research of prefrontal cortex (2015)
  • 著者名/発表者名: Masataka, N., Perlovsky, L., & Hiraki, K.
  • 雑誌名: Frontiers in Human Neuroscience 巻: 9 ページ: 1-11
  • DOI: 10.3389/fnhum.2015.00274
  • NAID: 120005947007
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cognitive shifting in children with attention-deficit hyperactivity disorder: A near infrared spectroscopy study (2015)
  • 著者名/発表者名: Yasumura A, Yamamoto H, Yasumura Y, Moriguchi Y, Hiraki K
  • 雑誌名: Journal of Psychiatry 巻: 18 号: 1 ページ: 1-11
  • DOI: 10.4172/psychiatry.1000196
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cortical EEG components that reflect inverse effectiveness during visuotactile integration processing (2014)
  • 著者名/発表者名: Kanayama N, Kimura K, Hiraki K
  • 雑誌名: Brain research 巻: 1598 ページ: 18-30
  • DOI: 10.1016/j.brainres.2014.12.017
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Negative emotion modulates prefrontal cortex activity during a working memory task: A NIRS study (2014)
  • 著者名/発表者名: zawa, S., Matsuda, G., & Hiraki, K
  • 雑誌名: Frontiers in Human Neuroscience 巻: 8:46
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Fearful Gaze Cueing: Gaze Direction and Facial Expression Independently Influence Overt Orienting Responses in 12-Month-Olds (2014)
  • 著者名/発表者名: Matsunaka, R., & Hiraki, K.
  • 雑誌名: PLos ONE, 巻: 9(2): e89567
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Relationship between neural activity and executive function: An NIRS study (2014)
  • 著者名/発表者名: Yasumura, A., Inagaki, M., & Hiraki, K.
  • 雑誌名: SRN Neuroscience 巻: 734952
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Behavioral and neural differences during two versions of cognitive shifting tasks in young children and adults (2014)
  • 著者名/発表者名: Moriguchi, Y., & Hiraki, K.
  • 雑誌名: Developmental Psychobiology 巻: 56 ページ: 761-769
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Urinary oxytocin positively correlates with performance in facial visual search in unmarried males, without specific reaction to infant face. (2014)
  • 著者名/発表者名: Saito A, Hamada H, Kikusui T, Mogi K, Nagasawa M, Mitsui S, Higuchi T, Hasegawa T, Hiraki K.
  • 雑誌名: Front Neurosci. 巻: 8 ページ: 217-217
  • DOI: 10.3389/fnins.2014.00217
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 視線方向に着目した母子間相互作用の網羅的・定量的分析 (2015)
  • 著者名/発表者名: 吉本廣雅・開一夫
  • 学会等名: HCGシンポジウム2015
  • 発表場所: 富山国際会議場（富山県富山市）
  • 年月日: 2015-12-17
• [学会発表] コミュニケーションの起源－乳児研究からのアプローチ－ (2015)
  • 著者名/発表者名: 開 一夫
  • 学会等名: HCGシンポジウム2015
  • 発表場所: 富山国際会議場（富山県富山市）
  • 年月日: 2015-12-17
  • 招待講演
• [学会発表] 我と汝の発達科学-コミュニケーションへの2人称アプローチ (2015)
  • 著者名/発表者名: 開 一夫
  • 学会等名: 日本赤ちゃん学会若手部会
  • 発表場所: 熱海市
  • 年月日: 2015-08-02
  • 招待講演
• [学会発表] 社会の中の赤ちゃん (2015)
  • 著者名/発表者名: 開 一夫
  • 学会等名: 補聴と聴覚活用研究会サマーフォーラム2015
  • 発表場所: 横浜ワールドポーターズ（神奈川県横浜市）
  • 年月日: 2015-07-19
  • 招待講演
• [学会発表] 乳児教育と「教えることの起源」－認知科学と人工知能の間ー (2015)
  • 著者名/発表者名: 開 一夫
  • 学会等名: 人工知能学会全国大会
  • 発表場所: 函館未来大（北海道函館市）
  • 年月日: 2015-05-30
  • 招待講演
• [学会発表] 教育経験と教室における注意 -実際の教育場面における視線計測を通じて (2014)
  • 著者名/発表者名: 玉宮 義之, 林 安紀子, 田代 幸代, 開 一夫.
  • 学会等名: 日本認知科学会第 31回大会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-21
• [学会発表] センサ付きおしゃぶりを用いた乳児の随伴性検出能力の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 坂部美希, 石井健太郎,開 一夫.
  • 学会等名: 日本認知科学会第 31回大会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-21
• [学会発表] 対乳幼児動作における強調動作と視線との関連 (2014)
  • 著者名/発表者名: 長田かおり、山本絵里子、開一夫
  • 学会等名: 日本認知科学会第 31回大会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-21
• [学会発表] 災マニュアルの内容理解を促進する挿絵の条件 (2014)
  • 著者名/発表者名: 林聖将, 石井健太郎, 開一夫.
  • 学会等名: 日本認知科学会第 31回大会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-21
• [学会発表] 母子間相互作用の時間的操作が母親の対乳児動作に与える影響. (2014)
  • 著者名/発表者名: 松田剛, 山本絵里子, 長田かおり, 旦直子, 開一夫.
  • 学会等名: 日本認知科学会第 31回大会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-21
• [学会発表] 母子間相互作用における時間的随伴性が子どもの模倣行動に及ぼす影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 山本絵里子、松田剛、長田かおり、旦直子、開一夫
  • 学会等名: 日本認知科学会第 31回大会
  • 発表場所: 名古屋大学（名古屋市）
  • 年月日: 2014-09-19 – 2014-09-21
• [学会発表] 不快情動刺激後のレスト時における前頭前野の活性―近赤外線分光法による脳血 流変化の検討― (2014)
  • 著者名/発表者名: 小澤 幸世, 松田 剛, 開 一夫.
  • 学会等名: 日本心理学会第78回大会
  • 発表場所: 同志社大学（京都市）
  • 年月日: 2014-09-11 – 2014-09-13
• [学会発表] 反射型フォトインタラプタを利用した吸啜動作計測 (2014)
  • 著者名/発表者名: 石井健太郎, 尾形正泰, 今井倫太, 開一夫
  • 学会等名: 日本赤ちゃん学会第14回学 術集会
  • 発表場所: 日本女子大学（川崎市）
  • 年月日: 2014-06-21 – 2014-06-22
• [学会発表] Infrared-Based Sensing of Infants' Sucking Activity (2014)
  • 著者名/発表者名: Kentaro Ishii, Masa Ogata, Michita Imai, Kazuo Hiraki.
  • 学会等名: The 19th International Conference on Infant Studies
  • 発表場所: ベルリン（ドイツ）
  • 年月日: 2014-06-03 – 2014-06-05
• [学会発表] "Do experiences with infants modify infant-directed actions? (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto E & Hiraki K.
  • 学会等名: The 19th International Conference on Infant Studies
  • 発表場所: ベルリン（ドイツ）
  • 年月日: 2014-06-03 – 2014-06-05
• [学会発表] Negative emotion modulates prefrontal cortex activity during a working memory task: A NIRS study. (2014)
  • 著者名/発表者名: Ozawa, S., Matsuda, G., & Hiraki, K.
  • 学会等名: Cognitive Neuroscience Society 21th Annual Meeting
  • 発表場所: ボストン（米国）
  • 年月日: 2014-04-06 – 2014-04-08
• [学会発表] The Mechanism of Watch Steal: The Effect of Power Grip on Attention to Tactile Stimulus (2014)
  • 著者名/発表者名: Urushihara, M., Matsuda, G., Tamamiya, Y., & Hiraki, K.
  • 学会等名: Cognitive Neuroscience Society 21th Annual Meeting
  • 発表場所: ボストン（米国）
  • 年月日: 2014-04-06 – 2014-04-08
• [図書] ミキティが東大教授に聞いた赤ちゃんのなぜ？ (2016)
  • 著者名/発表者名: 開一夫・藤本美貴
  • 総ページ数: 213
  • 出版者: 中央法規
• [図書] 赤ちゃんの不思議ー心と脳の発達. 東京大学教養学部(編), 高校生のための東大授業ライブ：学問への招待. (2015)
  • 著者名/発表者名: 開 一夫
  • 総ページ数: 18
  • 出版者: 東京大学出版会
• [図書] 母性と社会性の起源（岩波講座 コミュニケーションの認知科学） (2014)
  • 著者名/発表者名: 開一夫（編）
  • 総ページ数: 183
  • 出版者: 岩波書店
• [備考] 開研究室ホームページ
  • URL: https://ardbeg.c.u-tokyo.ac.jp/result/
• [備考] GUGEN2014大賞受賞、赤ちゃん研究から生まれたおしゃぶりセンサのこれから
  • URL: https://fabcross.jp/interview/20150330_osyaburi_01.html?fm=side_chkit