研究領域 | 精神機能の自己制御理解にもとづく思春期の人間形成支援学 |
研究課題/領域番号 |
26118710
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿部 修士 京都大学, こころの未来研究センター, 准教授 (90507922)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2015年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2014年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 神経科学 / 実験系心理学 / 社会系心理学 / 脳・神経 / 遺伝子 |
研究実績の概要 |
今年度は正直さを定量化するための「予測課題」を用いたfMRI実験のデータ取得を完了した。この予測課題では、被験者はトライアルごとに、コンピュータ上で☆のマークが左に出るか右に出るかを予測する。自分の予測をボタン押しした後に、☆マークが実際に左もしくは右に呈示され、同時に「正解」「不正解」のメッセージが表示される。被験者は正解であれば、次の画面で左のボタンを押して200円を獲得し、不正解であれば右のボタンを押して200円のマイナスとなる。ただし、6回に1回程度の割合で『本来は不正解であるはずなのに、正解と表示される』トライアルが呈示される。被験者にはあらかじめ、プログラムのエラーにより、本来は不正解のはずのものが正解と表示される場合があるが、そういったエラーに気付いた場合には-200円を選択するように教示をしておく。今回の研究では、この条件において、どの程度「正直に」-200円を選択できるか(=どの程度「ズル」をしてそのまま+200円を受け取ってしまうか)を正直さ、不正直さの指標とした。 その結果、大半の試行で正直に回答する被験者が約5割、また大半の試行で不正直な回答をする被験者が約3割おり、データがほぼ二極化することが明らかとなった。脳機能画像データの解析からは、正直な回答をする際には前部帯状回や外側の前頭前野など、認知的制御に関わる脳領域の関与が明らかとなった。一方、不正直な回答をする際には、こうした認知的制御に関わる脳領域の賦活は認められなかった。 これらの知見は、「嘘をつくことは前頭前野に支えられた高次の認知処理を必要とする」という従来の考えに一石を投じるものである。本研究は、主体性なく不正直に振舞ってしまう消極的な嘘の神経基盤をとらえたものであり、意思決定場面における自己制御の関与とその正確な役割についての理解を前進させるものと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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