研究領域 | こころの時間学 ―現在・過去・未来の起源を求めて― |
研究課題/領域番号 |
26119535
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2015) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (2014) |
研究代表者 |
羽倉 信宏 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (80505983)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2015年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2014年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 時間順序判断 / 伝導遅延 / 上肢切断 / 幻肢 / 時間知覚 / 身体図式 |
研究実績の概要 |
皮膚から触覚刺激が伝える信号が脳に到達するまでの時間(伝導遅延)は各身体部位から脳までの距離によって異なる。本研究は、脳がこの伝導遅延時差を積極的に利用し、身体上の距離を計算しているという「伝導遅延時差による身体上距離符号化仮説」の検証を目的とした。昨年度の研究では、腕上の、脳までの距離が異なる2点間に皮膚触覚刺激を与え、その2つの刺激タイミングを被験者が「同時」と知覚するタイミングを操作した(時間順序判断の偏向)。すると触覚入力のタイミングの知覚が距離の知覚に反映されているという結果が示された。本年度は、上肢切断患者の失われた身体像を、上述と同じ手法を用いて回復させる実験に取り組んだ。上肢切断患者は、物理的には存在しない上肢を知覚する(幻肢)。上肢切断当初はこの幻肢は、もとあった上肢と同じ長さを保つが、次第に縮小し、指の位置が切断部に空間的に非常に近く感じるようになる。本研究では、切断によって生じた伝導遅延情報の混乱が幻肢の縮小を招いたと仮説する。そして、距離に対応した「正しい」伝導遅延を再学習させてやることで、幻肢がもとの長さを回復させるかに挑戦した。この研究は国立障碍者リハビリテーションセンターの河島則天室長の協力を得て行った。 1)ソレノイド電極で切断部を刺激すると、痛みを引き起こすことなく、実際にはない指先の知覚を引き起こすことに成功した。またその指先の位置は、もとあった位置にではなく、切断部近傍位置に知覚されることが分かった。 2)「ないはずの指先」と肘の間で、上肢切断患者は時間順序判断を行うことができた。また、時間順序判断に偏向を引き起こすことに成功した。 3)健常者と同様に、時間順序判断の偏向は指先位置が空間的に遠位に感じさせる例を観察することができた(切断位置に依存) 以上より、上肢切断患者の身体像を刺激タイミングの操作によって変容しうる可能性を示すことができた。
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現在までの達成度 (段落) |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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