公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
昨年度確立した試料調性法を用いて,rHDLに再構成したCCR1およびCCR5に,過剰量の2H,15N標識MIP-1aを添加した試料を調製して,転移交差飽和実験を行った.その結果,CCR1およびCCR5の安定性が低いため,24ポイントを超える転移交差飽和法の二次元NMRデータを,十分なS/Nで取得することは困難であった.そのため,再構成を行わない場合,および線形予測法による再構成を行った場合は,分解能が不十分なスペクトルや,シグナルが歪んだスペクトルしか得られなかった.一方,昨年度に開発したCo-ANAFORを適用して96ポイントのスペクトルを再構成した場合は,歪みのない,十分な分解能のスペクトルを得ることができた.得られたスペクトルからラジオ波照射に伴う強度減少率を調べた結果,MIP-1a上のNループおよび bシート領域がCCR1とCCR5の両方と近接すること,およびC末端ヘリックスがCCR5と近接することが明らかとなった.したがって,C末端へリックスに位置する残基の変異を伴う一塩基多型の影響を調べることで,CCR1とMIP-1aの相互作用,およびCCR5とMIP-1aの相互作用がそれぞれ多発性硬化症の病状に影響するかを明らかにする上で重要であることが示唆された.以上の成果を投稿論文に発表した上で,二次元および三次元の実測NMRスペクトルをCo-ANAFORで再構成するためのプログラムおよびマニュアルを,ホームページ上で公開した.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
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