配分額 *注記 |
6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2015年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2014年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
研究実績の概要 |
(1) 大脳皮質視覚野における情報表現をスパースコーディングで解明するため、事象のスパース表現の一つである自然言語を媒介とした情報表象モデルを考案した。このモデルによって、自然動画刺激下において大脳中次視覚野を含む広範囲の脳活動が説明できることを示した。また同モデルの表象内容を解析することで、形容詞等で指示される主観的な知覚意味内容に関する意味空間の定量や、脳活動からの知覚内容解読等が行えることを示した(Nishida et al., 2015 SfN)。また同モデルの中間情報表現を更にスパース化することでモデルの説明能力が向上すること(Kawase et al., 2016 J-SAI)、深層学習由来のモデルを援用することで脳活動から知覚内容を一定精度で文章として取り出すことを示した(Matsuo et al., 2016 J-SAI)。更に本件に関連した特許を3件出願した(Nishimoto et al., 2015, 2016a, b)。 (2) 大脳皮質中次視覚野における細胞情報表現の局所的機能構造を解明するため、V1野およびV4野においてカルシウムイメージング法によって記録した神経活動をスパース表象(運動エネルギー表象)でモデル化した。その結果、V4野においては刺激方位については選択性が似た細胞が局在化しているのに対し、空間周波数についてはその傾向が見られないなど、V1野と異なる局所的機能構造を持つことを示した(Amano et al., 2016 IEICE Technical Report)。 (3) 大脳皮質視覚野における神経細胞単位の情報表象が環境依存で変化すること、またその変化がスパースコーディングによる最適化によって説明できることを実験的に証明することに貢献した(Sasaki et al., 2015 Scientific Reports)。
|