配分額 *注記 |
9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2015年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2014年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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研究実績の概要 |
本年度は1.モデルベース意思決定に必要な内部モデルを学習する神経回路網モデルの構築(Saito, Takiyama, Okada, 2015, JPSJ)、2.片腕運動と両腕運動の統一理論モデルの構築(Takiyama & Sakai, 2016, Sci Rep)、そして3.運動学習の統一理論モデル(Takiyama et al., 2015, Nature Communications)と価値関数との関連性の解明(瀧山、2016、日本神経回路学会誌[解説論文])に挑んだ。 1.モデルベース意思決定に必要な内部モデルを学習する神経回路網モデルの構築では、内部モデルを最適に学ぶ条件を理論的に導出し、さらに従来ベイズ理論により説明されてきた意思決定に関連する神経活動(Kim & Shadlen, 1999, Nat Neurosci)は、ベイズの枠組みを必要とせず単純な教師あり学習で説明できることを示した。 2. 同じ片腕運動を繰り返しトレーニングした後に両腕運動に切り替えるとき、片腕運動で獲得したトレーニング効果は両腕運動では60%程度しか反映されない(Nozaki et al., 2006, Nat Neurosci)。一方、様々な片腕運動を繰り返しトレーニングした後に両腕運動に切り替えるとき、片腕運動で獲得したトレーニング効果は両腕運動では100%程度反映される(Wang et al., 2013, PLoS One)。右腕と左腕とで同じ運動を行っている両腕運動に限定して、上記の実験結果を再現する条件を数学的に探り、片腕運動と両腕運動を同時に考慮できる新たなモデルを提案した。 3. 昨年度、"誤差の予測"を入力とする神経回路網モデルは運動学習に関する様々な現象を統一的に再現可能であることを示した。この誤差の予測の更新式を数試行先まで誤差を予測すると仮定することで、誤差の予測の更新式と価値関数の更新式とが全くの等価になることを示した。従って、運動学習と意思決定とで共通の枠組みで議論が可能であることを示唆した。
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