磁場は相対論的電気効果であり自然界形成に不可欠であるが、地球上では一般にその効果は弱く、摂動的である。一方で、地球磁場の16桁倍にも及ぶ宇宙空間での強い磁場は非摂動磁場効果を与えるが、それを理解するための学問は確立していない。本領域では最近開発された世界最強の1000テスラ超強磁場を用い、地球上自然界における非摂動磁場効果を明らかにする。1000テスラの磁場が電子スピンに与えるエネルギー変化は温度換算で1350ケルビンであり、鉄のキュリー温度や金の融点を上回り、化学結合への破壊的効果である化学的カタストロフィーを実現できる。固体から分子、生体分子、素粒子、プラズマを対象として、磁場による新結晶創成などの革新的現象から自然界を形成する機序の本質に迫る。
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