持続可能な社会の実現には、再生可能なエネルギーを活かして、必要な物質を遍在する資源から無駄なくつくりあげるグリーンな技術が不可欠である。しかし、それを担う有機合成化学では、熱エネルギーを利用したイオン反応が主流であり、原料として利用できる炭素資源の多様性は極めて低く、廃棄物を抑えて合成できる有機分子の構造も限られている。この現状を抜本的に変革するため、光や電気エネルギーを利用した触媒によるラジカル反応の制御法を開拓するグリーン触媒科学を創発する。A01無機錯体・固体触媒、A02有機分子・金属触媒、A03炭素資源変換の三班の協創により、分子の狙った位置にラジカルを発生させ、結合の形成を高度に制御できる触媒を創製し、あらゆる炭素資源から付加価値の高い有機分子を最短工程で合成するための分子変換法を開発する。
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