タンパク質は身体を構成する必須の機能素子であり、数千から数万種類に及ぶセットと存在量により細胞・組織の機能が形作られている。この際、タンパク質合成と両輪をなすのがタンパク質分解である。個々のタンパク質は数分から数年の千差万別の寿命を持つ。しかし、タンパク質は形作られた後にどのように寿命が決定されるのか、その仕組みは明らかではない。また、細胞が機能を大きく変化させるときには、タンパク質構成を大幅に作り替える必要がある。しかし、様々な生命現象や病態によって、時間軸を伴った選択的かつ大規模なタンパク質分解が生じる機構は不明である。本領域では、タンパク質寿命の仕組みを識る、測る、操ることにより「タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー」(シンは新/真/深を表す)の理解を目指し、生命現象の理解に新たなパラダイムを構築することを目的とする。
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