光合成生物は時代や地域によって変動する光条件を克服して地球を覆い,その環境を支えている。光合成生物が多様な環境に適応してきた原理の理解は,気候変動をはじめとする社会的な課題解決への波及効果も期待できる。しかし,環境変化に応じてチラコイド膜上で動的に形成される光合成超分子複合体の構造と光合成生物の生理学を完全に結びつけることは未だ達成されていない。そこで,実績ある構造生物学と植物生理・生化学の研究者が,情報科学を媒体としてタッグを組み,時空間的包括性を備えた構造情報を基盤にして,超分子複合体が生理機能の発現を可能にする仕組みに迫る新研究「光合成ユビキティ」を立ち上げて,光合成の環境適応原理を理解する。
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