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2023 年度 審査結果の所見

光合成ユビキティ:あらゆる地球環境で光合成を可能とする超分子構造制御

領域

研究領域 (略称)光合成ユビキティ
研究課題/領域番号 23A305
研究種目

学術変革領域研究(A)

領域代表者 栗栖 源嗣  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (90294131)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2028-03-31
研究の概要

光合成生物は時代や地域によって変動する光条件を克服して地球を覆い,その環境を支えている。光合成生物が多様な環境に適応してきた原理の理解は,気候変動をはじめとする社会的な課題解決への波及効果も期待できる。しかし,環境変化に応じてチラコイド膜上で動的に形成される光合成超分子複合体の構造と光合成生物の生理学を完全に結びつけることは未だ達成されていない。そこで,実績ある構造生物学と植物生理・生化学の研究者が,情報科学を媒体としてタッグを組み,時空間的包括性を備えた構造情報を基盤にして,超分子複合体が生理機能の発現を可能にする仕組みに迫る新研究「光合成ユビキティ」を立ち上げて,光合成の環境適応原理を理解する。

審査結果の所見の概要

光合成は地球上の生命を支える重要な生理反応であり、広く様々な環境下で営まれている。モデル生物を用いた研究により、光合成の分子基盤について多くのことが明らかにされたが、光合成装置の構造的、機能的な変化がどのようにして幅広い環境への適応をもたらすのか、その詳細は未だ不明である。本研究領域では、高い研究遂行能力を有する構造生物学者や植物生理学・生化学分野の研究者に情報科学の専門家が加わり、緊密な連携のもと「光合成の環境適応の原理解明」を目指す。その学術的意義は大きく、また、気候変動をはじめとする社会的な課題解決への波及効果も期待できる。本研究領域は、新学術領域研究「新光合成:光エネルギー変換システムの最適化(2016~2020年度)」を発展させるものとして計画されており、同研究領域で光合成超分子複合体の構造やその調節機構が明らかにされたことを踏まえ、新しい問題設定のもとにこれらの成果を更に発展させようとする試みである。研究計画においては、「”観る”、”測る”、”繋ぐ”」というスローガンのもと、各研究者の専門を生かしつつ連携を図る体制が良く整えられている。”観る”については、従来の構造解析に加え、NMR、高速AFMなどによる動的解析が強調されている点が評価される。”測る”には、基本的な光合成機能解析に加え、チラコイド膜、レドックス制御、転写制御などの解析が含まれておりバランスがとれている。”繋ぐ”は、分子動力学計算、構造予測、ゲノム解析などを行うことで他の2項目を補完する内容になっており妥当である。さらに、技術支援を行う”コンシェルジュ”体制や、技術移転を意識した領域内留学制度などが計画されており、研究領域内の連携を強化する体制が整えられている。公募研究においては、解析対象とする光合成生物を広げるとともに、新しい超分子機能解析手法を取り込むことが計画されており、領域の更なる拡張が期待できる。

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公開日: 2024-03-12  

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