動物にとって集団化は多くの恩恵をもたらす一方、仲間との資源競争を激化させるジレンマを抱える。どのような仕組みがこのジレンマを解消し、ヒトや動物の社会を進化させてきたかは未解明だ。本領域では、他の個体とは違う行動をとる逆張り屋「コントラリアン」に着目し、その一見反集団的な存在が利己的な独立した個の集合的均衡を実現するという仮説を検証する。社会構造の異なるヒト・サル・メダカ・ハエを用い、共通行動実験パラダイムを中心にコントラリアンの行動・神経・遺伝基盤と生態学的意義を解明する。本領域により社会に属する個と集団意思決定の在り方を再定義する新学術体系を確立し、社会や組織を扱う様々な分野に波及させる。
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