生物と無生物の間は複数の階層構造が存在し、上位階層は下位階層の構造体から成り立つが、この上位階層と下位階層の関係をメゾリンクと名付け、この相互関係を明らかにし、生命原理の理解につながる変革を起こす研究を行う。このメゾリンクの中には、観測手段に起因するスケールのギャップがいくつかある。われわれは、DNAからクロマチン、細胞内における液-液相分離に関係する構造体に至るメゾリンクに注目し、量子計測、計算による解析、および生物の三者融合で新しい学問を創成する。具体的には、新たな顕微法であるSX-STED法と呼ぶ軟X線での超高解像度顕微鏡の開発(A01量子計測班)と画像解析法である相関解析法を開発(A02相関解析班)し、ギャップを埋めてメゾリンクの理解(A03応用班)を進める。将来的には生物以外も対象とし、中性子やミューオンなどでもSTED法を適用し、さらに細胞のがん化の機構解明などを目指す。
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