研究領域 | 海洋混合学の創設:物質循環・気候・生態系の維持と長周期変動の解明 |
研究課題/領域番号 |
15K21710
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安田 一郎 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (80270792)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2020-03-31
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キーワード | 新海洋混合学 / 鉛直混合 / 海洋物理学 / 海洋化学 / 海洋生物学 / 水産学 / 気候力学 / 国際展開 |
研究実績の概要 |
本領域の採択を受け、国際活動支援班・国際活動推進委員会で領域の目標達成のための実行計画の策定を行い、企画委員会で審議し、総括班会議で次の7件計10名の海外派遣・招聘を決定し、実行するとともに、HPに詳細な報告を掲載し、公表に努めた。 〇小畑元: 2015年国際共同研究GEOTRACESシンポジウム・ワークショップへの参加 12/6-12/12ロンドン、〇田中雄大 The Royal Society Scientific Eventでの微量金属元素循環に関する研究動向調査12/6-12/12ロンドン、〇Stanford B. Hooker 正確な現場海洋光学データの取得とその海色衛星リモートセンシングへの応用 1/13-1/21日本、〇①共同利用乱流観測機器の研修および検査(安田・長澤1/20-1/24・田中)ビクトリア・カナダ,②高速水温計を用いた鉛直混合評価手法および広域分布に関わる国際共同研究の構築(安田・田中)1/24-1/27 オレゴン州立大・コーバリス・USA、〇横井 孝暁 高解像度領域海洋循環-魚類回遊成長モデルの高度化に関する国際共同研究 2/1-3/6 ラトガース大学・ニュージャージー・USA、〇安田 一郎 AGU-Ocean Science Meetingでの「海洋混合学」の国際研究動向調査 2/20-2/28 ニューオーリンズ・USA、〇松野 健・郭 新宇ルソン海峡周辺海域における国際共同研究の調整 3/21-3/23 フィリピン大・マニラ また、次の国際会議を共催した。〇世界気候研究プログラムWCRPの国際研究プロジェクトCLIVARの黒潮に関するワークショップ 2016年1月12-13日横浜〇亜寒帯及び北極域の生態系研究ESSAS2016年年次総会2016年3月7-9日横浜
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1件(微量金属データベース国際委員の招聘)日程が合わず実施を次年度に延期したが、国際活動支援班で策定した計画が、大過なく達成された。派遣については、PDの1か月程度の滞在による国際共同研究の実施、総括班支援チーム構成メンバの混合観測機器の習熟のためカナダ研修、フィリピン海域での国際共同航海実施を目指した国際ネットワーク構築のための派遣、混合観測手法とデータを共有するためのネットワーク構築のための派遣、生態系観測機器の開発のための米国研究者の招聘、微量金属国際共同研究の研究動向調査ための国際会議派遣、混合学の研究動向調査のための派遣など、本新学術領域研究の全体目標を推進する様々な国際活動が活発に行われた。さらに、黒潮海域と気候についての国際ワークショップを本領域分担者が中心となって共催するとともに領域代表者が基調講演を務め、また、亜寒帯・北極域の海洋・生態系国際共同研究(ESSAS)の年次総会をA03-5計画班が中心となって開催、北太平洋海洋機構PICESでのシンポジウムを開催するなど、国際活動が活発に行われたと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
本領域「海洋混合学」に関連する国際的な研究動向を常に調査し、領域として支援すべき国際共同研究計画をH28年11月に決める。研究者招聘・派遣計画を随時検討し、年度ごとに改訂する。H28年度は、下記の国際活動を実施する。 〇ストームトラック下での鉛直混合過程のフロート時系列観測、〇グライダによる混合・流速観測手法についての共同研究、〇高速水温計を用いた広域鉛直混合分布の定量化についての共同研究、〇超深海フロート型乱流計の開発、〇領域目標達成のための海外研究者の招聘による国際共同研究打ち合わせ、〇ロシア船を利用したロシア海域研究航海計画の打ち合わせ、および、2014年観測成果のとりまとめ、〇衛星海色データから求めた水柱光吸収量の基礎生産量推定への応用、〇親潮域の生物生産過程解明に向けた植物プランクトン光合成生理に関する情報整理とデータ共有、〇海洋における蛍光性溶存有機物分布の高精度評価法の検討、〇ワークショップ「東アジアにおける海洋の微量元素・同位体による生物地球化学研究」の開催、〇2016年GEOTRACES国際オフィス支援経費、〇OMIXと太平洋における「白鳳丸」生物地球化学データ公表(IDP2017)のSynergy、〇ルソン海峡周辺海域における国際共同研究の調整、〇Luzon海峡とPhilippine海における内部波と乱流混合過程の解明に向けた研究動向調査と技術研修、〇海洋生態系変動の予測可能性の研究における海外ネットワークの形成、〇北太平洋−ベーリング海の海洋混合域における海洋生態系の長期変動と予測可能性、〇Wisconsin大学の高精度二次イオン質量分析装置による耳石分析の共同研究、〇高解像度領域海洋循環-魚類回遊成長結合モデルの高度化に関する国際共同研究
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次年度使用額が生じた理由 |
採択通知が年度中ごろ以降であったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
国際共同研究推進計画および国際活動長期計画に基つき、本年度は、国際シンポジウムにおける研究打ち合わせ、ロシア・フィリピン等隣国との共同観測航海打ち合わせ、国際共同研究における若手研究者派遣・著名な研究者の招聘、海外ネットワーク構築のための海外派遣、国際研究動向調査などを実施する。
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