研究領域 | 核-マントルの相互作用と共進化~統合的地球深部科学の創成~ |
研究課題/領域番号 |
15K21712
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
土屋 卓久 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (70403863)
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研究分担者 |
芳野 極 岡山大学, 惑星物質研究所, 教授 (30423338)
鈴木 昭夫 東北大学, 理学研究科, 准教授 (20281975)
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
鈴木 勝彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), センター長 (70251329)
M Satish‐Kumar 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50313929)
田中 聡 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), グループリーダー (60281961)
田中 宏幸 東京大学, 地震研究所, 教授 (20503858)
鍵 裕之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70233666)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2022-03-31
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キーワード | 核-マントル相互作用 / 核-マントル共進化 / 地球深部構造 / 地球内部ダイナミクス / 国際共同研究 |
研究実績の概要 |
令和2年度は米国ケース・ウェスタン・リザーブ大、仏ソルボンヌ大、独マックス・プランク研究所、タイ・マヒドン大をはじめ10カ国計30機関との間で国際共同研究を実施した。マントル深部及び核の熱特性、始原物質の貯蔵機構、熱源元素総量などを軸としてそれらの成果について集約し、領域全体の国際活動の総括と成果取りまとめを行った。前年度までと同様に地球惑星科学連合(JpGU)年次大会において国際セッションを主催し、本領域で得られた核-マントルの相互作用と共進化に関する研究成果を世界の研究者と共有するとともに、本領域の活動により得られた新たな知見を集約した書籍や論文特集号の編集及び執筆を行った。それらを通し、最終的には「核-マントルの相互作用と共進化」について領域として新たなモデルを提案し、新たな学理として統合的地球深部科学の確立を試みた。国際活動の成果取りまとめを計画的に進めるために、5月、8月、10月に集中的に総括班メンバーによるメール会議を行った。その他、社会・国民に向けた研究成果情報の発信も精力的に実行した。具体的には、英文ホームページ及びSNSを活用して成果の周知及び情報発信を国内だけでなく国外に向けても行った。これらに加え、成果取りまとめの一環として、本領域の活動により得られた新たな知見を集約した英文書籍の編集及び執筆を進めた(英文書籍については米国地球物理学連合からの出版を現在進めている)。これらを通じ、本研究プロジェクトの成果を一般レベルから専門家レベルまで国内外を問わず幅広い対象に向けて発信した。これら領域の活動について事後評価を受け、「A」の評価を得た。一方、海外の共同研究者の参加も計画し、本年度に実施を予定していた研究成果発表会については、新型コロナウイルス感染症の蔓延により延期せざるを得ない状況となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度はマントル深部及び核の熱特性、始原物質の貯蔵機構、熱源元素総量などを軸として個々の成果を集約し、領域全体の国際活動の総括と成果取りまとめを行った。前年度までと同様に地球惑星科学連合(JpGU)年次大会において国際セッションを主催し、本領域で得られた核-マントルの相互作用と共進化に関する研究成果を世界の研究者と共有するとともに、本領域の活動により得られた新たな知見を集約した書籍や論文特集号の編纂及び出版を予定通り行った。また、これらの書籍や英文ホームページ及びSNSを活用して、本領域の成果を国内のみならず国外にも積極的に発信し、周知に努めている。 平成28年度、29年度に本経費にて雇用し、本領域とフランスの研究グループとの間で実施されている国際共同研究に参加していたオランダ人博士研究員1名との共同研究の成果や領域の全期間を通じて共同研究を行ったタイ・マヒドン大との研究成果が、Nature Publishing Groupが出版するScientific Reports誌をはじめとした著名な国際誌において出版されるなど、本研究で取り組んだ国際共同研究の成果が着実に形となって表れている。これらを通じ、国外においても本領域の認知度の確かな向上が認められており、本領域と国外研究者との間の長期的な連携基盤が順調に形成・強化され、次々と成果があがる状況となった。 これらの活動について事後評価において「A」の評価を受けた。一方、海外の共同研究者の参加も計画し、本年度に実施を予定していた研究成果発表会については、新型コロナウイルス感染症の蔓延により令和3年度に延期せざるを得ない状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、本領域で実施した国際共同研究の個々の成果を精力的に論文化し出版するとともに、領域全体の研究成果をまとめた英文書籍の編集及び出版を進める。また、地球惑星科学連合(JpGU)及びアジアオセアニア地球科学連合(AOGS)のそれぞれの年会において、特別セッションを実施するとともに、延期となった領域全体の成果発表会を開催する。これらを通して、本領域の活動を総括し、得られた成果を国内外に向けて発信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外からの研究者の招聘が困難となった。 また、例年4日間に渡り開催してきた国際シンポジウム兼成果発表会を本年度も実施する計画であったが、感染状況の改善が見られず対面での実施が困難となった。オンラインでの成果発表会の実施も検討されたが、70件程度に及ぶすべての発表のオンラインでの実施については、議論の内容が希薄になるのではなどの懸念があがり、可能な限り対面で行うという方向で検討を継続することとなった。結局、年度末になっても感染状況の改善が全く見られず、オンライン実施への方針変更を行う時間的余裕もなくなり、年度内の成果発表会の実施が困難となった。令和3年度は、当初よりオンラインでの開催を念頭においた上で国際シンポジウム兼成果発表会の実施を計画するとともに、本研究の成果を広く周知するための方法を検討する。
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