研究領域 | 行動適応を担う脳神経回路の機能シフト機構 |
研究課題/領域番号 |
15K21715
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
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研究分担者 |
尾上 浩隆 国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, チームリーダー (80214196)
小池 康晴 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (10302978)
礒村 宜和 玉川大学, 脳科学研究所, 教授 (00415077)
藤山 文乃 同志社大学, 脳科学研究科, 教授 (20244022)
渡邉 大 京都大学, 医学研究科, 教授 (90303817)
伊佐 正 京都大学, 医学研究科, 教授 (20212805)
筒井 健一郎 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90396466)
相澤 秀紀 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (80391837)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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キーワード | 行動適応 / 神経回路 / 機能シフト / 国際共同研究 / 国際技術交流 / 若手国際活動 |
研究実績の概要 |
本領域研究の発展のため、国際共同研究、技術交流、若手研究者活動支援に取り組む。小林班ではNavarra大学の研究員を受け入れ、技術支援と打ち合わせを行い、モントリオール大学・Torudeau博士、USD・Borrelli博士を招聘し、ドーパミン伝達に関する技術交流を行った。尾上班では脳機能イメージングの共同研究のため、ワシントン大学Van Essen教授を招聘し、技術交流・講演会を行った。小池班ではリハビリテーション技術開発のため、南カリフォルニア大学研究員らを招聘した。カリフォルニア大学サンディエゴ校と信号源推定に関して、CNRSと脳波測定に関する共同研究を進めた。礒村班ではアルベルトアインシュタイン医科大学Khodakhah博士を招聘し、大脳基底核の共同研究に向けた技術交流を、藤山班ではOxford大学・中村博士、NIH・Crittenden博士らと基底核形態解析の打ち合わせを行った。伊佐班ではKU Leuven・Vanduffel博士、ウェスタン大学・Everling博士及びニューキャッスル大学・Soteropoulos博士と共同研究、Dandrite研究所・Yonehara博士と共同研究に向けての打ち合わせを行った。筒井班ではKU Leuven・Janssen博士、Zurich大学・Tobler博士、ノルウェー科学技術大学・Witter 博士と共同研究を行うとともに、Harvard大学・Somerville博士、NIH・Atlas博士と共同研究の打ち合わせを行った。相澤班では南カロライナ大学とのモノアミン測定法を共同で開発した。若手研究者支援については、小池班ではカリフォルニア大学サンディエゴ校・Makeig研究室に、筒井班ではOxford 大学・Buckley研究室に若手研究者を派遣した。礒村班では北米神経科学学会に研究協力員を派遣し研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の計画にそって、海外研究者との国際共同研究、国際的な研究技術交流、若手研究者による国際活動を支援することができた。特に、小林班では、Navarra大学との共同研究が継続し、進展するとともに、モントリオール大学・USDとの技術交流を持てた。若手研究者支援の目的で、連携研究者を北米神経科学会などに派遣する予定であったが、研究データをより充実させるため、渡航を延期したが、次年度の学会等への参加を支援する予定である。尾上班では、ワシントン大学・Van Essen教授と共同研究の打ち合わせの機会を持てた。小池班では、米国のUSC,UCSD、英国のICLとのそれぞれの共同研究に関する実験や解析が進展した。礒村班では、Khodakhah博士との技術交流を端緒に共同研究の開始につながった。藤山班では、大学院生を国際シンポジウムに派遣し、発表を行う予定であったが、本人の都合により、渡航を取りやめた。Oxford大学・中村博士、NIH・Crittenden博士らと大脳基底核回路の形態解析のための研究打ち合わせを行うことができた。伊佐班では、KU Leuvenから大学院生を招いて神経解剖学的手法による共同研究、ニューキャッスル大学のSoteropoulos博士を招いてウィルスベクターによる共同実験、ウェスタン大学・Everling教授を招いて安静時MRIについての共同研究打ち合わせを行った。筒井班では、訪問先での協議が進展し、ノルウェー科学技術大学との共同研究(分子生物学的手法開発)が発展するとともに、KU Leuven、Zurich大学とも共同研究の打ち合わせをすることができた。相澤班では、アリゾナ大学、サウスカロライナ大学との共同研究により最先端ボルタンメトリ法の開発が進展した。また、若手研究者の米国学会への派遣も若手育成に大きく貢献した。
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今後の研究の推進方策 |
国際共同研究・技術交流について、小林班ではNavarra大学との共同研究を推進するため、ウィルスベクター作成と供給を継続する。新規活動促進技術の開発のため、ローザンヌ大学Benton博士と打ち合わせを行う。尾上班ではKU Leuvenを訪問しサルのMRI撮像技術に関する交流を行う。小池班では片麻痺仮想手術の計算論モデル解析をUCS・Schweighofer博士と継続し、UCSD・ Makeig教授と脳波解析技術に関する共同研究を行う。礒村班はアルベルトアインシュタイン医科大学・Khodakhah博士との共同研究を推進する。礒村は共同研究打ち合わせのため、チュービンゲン大学を訪問する。藤山班では、藤山が中華人民共和国での国際会議において研究成果を発信し、学術交流を図る。基底核回路の形態解析に関する共同研究のため、Oxford大学・Magill研究室を訪問し、技術交流を行う。伊佐班ではKU Leuven研究者と意思決定に関する共同実験、ニューキャッスル大学やWestern大学の研究者とともに霊長類光操作技術開発を進める。脳幹・皮質機能操作技術の共同研究のため、チュラロンコン大学Sooksawate博士を受け入れ、筒井博士とともにノルウェー科学技術大学を訪問する。筒井班ではノルウェー科学技術大学、KU Leuven、Zurich大学とのこれまでの共同研究を発展させ、相手先を訪問あるいは招聘する。相澤班ではモノアミン測定新技術の開発をHashemi博士と共同で行う。若手研究者支援について、各班の若手研究者を北米神経科学会等に派遣し、研究発表を行うとともに最先端情報交換を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
小林班では、研究データの充実にするため渡航を取りやめ、一部の旅費を次年度の使用とした。尾上班では、一部の日程の変更により次年度での使用とした。礒村班では、Khodakhah博士との共同研究の経費に一部余剰が生じたため、次年度に有効活用することにした。藤山班では、共同研究に必要な物品の購入時期が変更されたため、次年度の使用とした。渡邉班では、海外研究機関との研究協議に備えて実施した実験から興味深い知見が得られつつあり、さらにデータ収集するべく、渡航を取りやめ次年度への繰越とした。筒井班では、研究データの取得に集中するため、渡航を取りやめ、一部の旅費を次年度の使用とした。相澤班では、共同研究が想定以上に円滑に進み消耗品の支出が抑えられたため、一部の旅費を次年度の使用とした。 小林班では、若手研究者の国際学会・シンポジウムの参加のための旅費に充当する。尾上班では、海外研究者招聘の渡航費に充当する。礒村班では、Khodakhah博士との共同研究の費用に、藤山班では、免疫電顕実験に必要な試薬類の購入に充当する。筒井班では、次年度は、研究打ち合わせのための招聘・渡航の機会が増えるので、これに充てる。相澤班では、若手研究者の国際学会・シンポジウムの参加のための旅費に充当する。
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