研究領域 | トポロジーが紡ぐ物質科学のフロンティア |
研究課題/領域番号 |
15K21717
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 則雄 京都大学, 理学研究科, 教授 (10169683)
|
研究分担者 |
前野 悦輝 京都大学, 理学研究科, 教授 (80181600)
佐藤 宇史 東北大学, 理学研究科, 教授 (10361065)
藤澤 利正 東京工業大学, 理学院, 教授 (20212186)
田仲 由喜夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40212039)
上田 正仁 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70271070)
高木 英典 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40187935)
柏谷 聡 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40356770)
|
研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2020-03-31
|
キーワード | トポロジカル物質科学 / 国際ネットワーク / Topo-Q / 若手研究者派遣・招聘 / アライアンスワークショップ |
研究実績の概要 |
本国際支援班の目的は、総括班の下、領域の国際連携を推進することである。そのため本領域独自のTopo-Qネットワーク組織を導入し、相互パートナーとなる海外の研究所やプロジェクトとの国際交流・連携を、合同研究会(アライアンスワークショップ)や研究者派遣・招聘プログラムを用いて推進するものである。本年度の実績を以下にまとめる。 (1)Topo-Qネットワーク組織の展開:7月にイタリアのエリチェ(マヨラナセンター)で開催したSPIN機構(イタリア)とのアライアンスワークショップに川上(領域代表)、前野(A01代表)、上田(D01分担)らが出席し、今後の国際連携に関して相談した。また3月の米国物理学会APSでは前野らが、次年度のワークショップ打合せを米国パートナーと行った。 (2)アライアンスワークショップの開催:本年度は2回開催した。まず7月にイタリアのエリチェでSPIN機構と、10月には北京で北京大学ICQMと共催し、最新の研究成果を発表し、国際連携を推進した。 (3)JREP(若手研究者派遣・招聘プログラム)の実施 [上田・佐藤昌]:申請・審査に基づき、3件の派遣と3件の招聘を実施した。加えて、カナダのアライアンスプロジェクトCIFARが主催するスクール及び研究会に、運営面の経験を積むため3名の大学院生を派遣した。 (4)REP(研究者派遣・招聘プログラム)の実施 [田仲・佐藤宇]: 申請・審査に基づき、5件の招聘を実施した。これまで海外からの招聘が多いが、本領域メンバーとの協力研究に大きな成果を挙げている。 (5)Topo-Q PDの公募と採用 [藤澤、川上]: 領域内公募・審査委員会での審査に基づきPDを1名雇用している(4月現在)。このPDは超伝導接合の実験が専門であり、精力的に研究を進めている。R1年6月より、さらに理論研究を専門とするPDを1名雇用する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際支援班に導入したTopo-Qプログラムは本領域独自のものであり、海外のパートナーに広く認知されてきた。 【アライアンスワークショップ】特に、Topo-Qプログラムの目玉であるアライアンスワークショップは、国際連携を進める上で重要な位置を占めている。今年度、エリチェ(イタリア、7月)・北京(中国、10月)で開催したワークショップでは、連携相手であるSPINプロジェクトや北京大学のメンバーと個別に相談するなど、国際支援班の趣旨に沿って連携を深めることができた。 【派遣・招聘プログラム】上記のアライアンスワークショップに加えて、派遣・招聘プログラムのREP(准教授・教授クラス対象)・JREP(若手研究者・大学院生対象)も、これまでどおり多くの研究者や大学院生に利用されており、国際連携を推進する上で大きな役割を果たしている。特に、昨年度より若手研究者の派遣数が増加しており、JREPプログラムが若手研究者の育成の場として有効的に活用されていることを示している。 【ポスドク雇用】Topo-Q PDも、平均的に常に1名が雇用されており、国際共同研究の活性化や国際会議の運営等への貢献などを通して領域の国際活動に貢献している。
|
今後の研究の推進方策 |
以下の方針の下、2019年度の国際支援班の活動を行う予定である。 (1)Topo-Q国際ネットワークのさらなる展開 [川上(代表者)、前野・藤澤・佐藤宇・高木]: 2019年7月にはシュツットガルトにおいて、マックスプランク研究所・北京大学共催ワークショップに、本領域からも藤澤(C01)、藤岡(公募B01)等が参加し、招待講演する。さらに10月に米国のサンタバーバラにおいてEPiQSプロジェクトとのアライアンスワークショップを開催する。これには、本領域から若手研究者を含め20~30名程度が参加する予定であり、国際連携に大きな進展が見込まれる。2019年度は最終年度であるので、領域国際会議を12月に京都で開催し、アライアンス・パートナーからも講演者を招待し、領域終了後も見据えた国際連携を推進する。さらに、カナダCIFAR研究会や3月のアメリカ物理学会APS等への、Topo-Qネットワーク運営メンバー派遣を継続する。 (2)JREPの遂行 [上田・佐藤宇(分担者)、佐藤昌]: 領域内の公募により、滞在型のPD・大学院生の派遣・招聘を行う。毎年4-5月開催のアライアンスパートナーCIFARの研究会には、国際連携の推進を担ってもらうための4名のPD・大学院生を派遣する。 (3)REPの遂行 [田仲・佐藤宇(分担者)]: 領域内の公募により、助教・准教授層を中心とした若手研究者に2-3か月間程度の海外派遣、および海外からの滞在型招聘を実施する。 (4)Topo-Q PDの雇用 [藤澤(分担者)、川上(代表者)]: 2019年6月に、現在雇用中のPDに加えて、領域内公募・審査に基づくPDを1名雇用予定である。領域内と海外パートナーの研究室間での共同研究を推進する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 本年度、アライアンスワークショップ開催、REP・JREP派遣・招聘など順調にプログラムを遂行してきた。前年度からの繰り越し金額が180万円程度であったが、次年度使用予定額は350万円程度に増えた。この理由として、今年度2回開催したアライアンスワークショップのうち北京大学とのワークショップに関しては、本領域からのほとんどの参加者の旅費を北京大学から補助して頂いたことがあげられる。その結果、当初よりもアライアンスワークショップ開催費が大幅に抑えられたため、次年度使用額が増えた。 (使用計画) 2019年10月にサンタバーバラで開催予定のアライアンスワークショップには、多くの予算を使用する予定である。特に、領域のシニアメンバーに限らず若手にも参加を呼びかけている。さらに、12月に予定している領域国際会議は、本領域の締めとなる重要な会議であるので、招待講演者などの旅費も含め、多くの予算を支出する予定である。この他に、研究者派遣・招聘プログラム(REP, JREP)には本年度と同程度の多くの応募があると期待される。これに対して予算を使用する予定である。2名のポスドク雇用にも予算を支出する。
|