国際活動支援班
本年度も各国際活動支援班員が、それぞれの国際活動(国際共同研究、海外研究者の訪問、海外著名研究者の招聘など)を精力的に展開し、その結果数多くの国際共著論文の発表などの実質的な活動成果をあげることができた。具体的な活動内容は、以下の通りである。まず領域代表の廣瀬は、昨年に引き続き核内構造体の微細構造の電子顕微鏡観察、RNP相互作用解析をフランスCNRSと西オーストラリア大、イギリスのクリック研究所との共同研究を継続し、実質的な成果を得た(キーストーン会議招待講演、論文2報リバイス中)。中川は、lncRNA KOマウスを用いた機能解析研究を、米国スタンフォード大、テキサス大、ドイツDZHKとの共同研究で実施し、Genes & Dev誌を含む2本の論文発表に至った。さらに鈴木は、ドイツIBM、中国浙江大、エストニア・タルツ大との共同研究を行い2本の原著論文に発表した。泊は、カナダ、スイスの先導的研究者を訪問して積極的な国際交流を図り、さらに1本の国際共同論文を発表した。影山は米国ノースウェスタン大、フランス・トゥールーズ大との共同研究を、また浅原は米国スクリプス研究所との国際共同研究を継続した。領域班員及び関連若手研究者の海外研究機関への短期滞在の支援も実施し計4名を米国カリフォルニア大学、テキサス大学、アインシュタイン大学、西オーストラリア大学に派遣し、国際共同研究のより一層の推進をサポートした。この他に、当該研究分野の海外著名研究者をロックフェラー大学から招聘した。
1: 当初の計画以上に進展している
各国際活動支援班員が、精力的に国際活動を行い、質の高い国際共著論文を数多く発表できたことは予想以上の成果と考えられる。特に領域代表者が本領域発足以来継続している西オーストラリア大との共同研究は、国際的にも高く評価され、一流の総説誌であるTrends in Biochem誌にarcRNAに関する共著総説を発表したことは、本領域発の研究が生命科学のトレンドの一つとして認められたことを示すもので高く評価できる。また中川が世界各国の研究者に分与しているlncRNA KOマウスを用いた成果が、数々の論文に結びつきつつあり、本領域の国際活動成果として強調すべきものである。また今年度も、班員及び若手研究者の海外研究機関への訪問、一方で海外著名研究者の招聘活動も活発に行われ、実質的な国際交流が行われ、本領域の研究成果を世界に向けて発信する機会となった点も高く評価できる。
最終年度に向けて、継続中の国際共同研究成果を論文の形にまとめて、広く世界に向けて発信する活動に注力する。特に成果をより広く発信するために、これまでにも一部実施してきた、国際共著論文の掲載費やオープンアクセス費の支援などを広く実施する。また同時に領域の成果を直接発信するために海外著名研究者の積極的な招聘、それに合わせて国際シンポジウムを開催する。また若手研究者の海外研究機関への派遣活動、海外の若手研究者の領域班員研究室への滞在支援なども合わせて取り行っていく予定である。
理由:今年度は全班員が精力的に国際活動を展開し、予定以上の活動を行い、論文に結びつける実質的な成果を上げた。一方で、KOマウスのリソース分与の予定が共同研究の進み具合によって前後した関係で、その分の予算が来年度に持ち越された。使用計画:最終年度を迎え、本領域の成果を世界に向けて発信するために、班員全員で最大限の国際活動を行う。そのために、前年度からの持ち越し予算は、班員の海外渡航費、国際共同研究推進費、海外研究者の招聘費として用いる予定である。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 6件、 招待講演 5件)
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