研究領域 | ゆらぎと構造の協奏:非平衡系における普遍法則の確立 |
研究課題/領域番号 |
15K21724
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐野 雅己 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40150263)
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研究分担者 |
野口 博司 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00514564)
小林 研介 大阪大学, 理学研究科, 教授 (10302803)
竹内 一将 東京工業大学, 理学院, 准教授 (50622304)
水野 大介 九州大学, 理学研究院, 准教授 (30452741)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2018-03-31
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キーワード | 非平衡統計力学 / 非平衡ゆらぎ / 自己組織化 / ソフトマター / 人工細胞 |
研究実績の概要 |
本国際活動支援経費は、主として外国人研究員の雇用、日本人若手研究者の海外派遣や国際会議発表、外国人研究者の招聘などに有効利用することができた。 外国人ポスドクの雇用では、小林研介氏(阪大)がMeydi Ferrier氏を雇用し、人工原子中量子液体の近藤効果における特異的なゆらぎの計測に成功した。また、水野大介氏(九大)がDr. Francis van Esterik氏を雇用し、脂肪由来幹細胞に関する共同研究を実施した。これにより、分化誘導により遷移状態に導いた胚性幹細胞を圧縮しつつ、マイクロレオロジー法により核の局所的力学特性を計測可能となった。竹内一将氏(東工大)は、Somayeh ZERAATI氏をポスドク雇用し、液晶電気対流系の電流ゆらぎの計測により、乱流相転移とエントロピー生成の関係の調査を行った。はじめに、電気対流現象における微弱な電流計測のための検出器を製作し、電流やエントロピー生成の平均値がDSM1・DSM2面積比で決まっており、示量性が成り立っていることを明らかにし、液晶乱流のエントロピー生成揺らぎを計測することに成功した。 若手研究者の海外派遣では、岡本隆一氏(首都大学東京)をパリ第7大学に2週間程度派遣し、Fournier教授と、赤血球膜のダイナミクスに関する論文の打ち合わせを行った。細胞骨格の格子構造や、溶媒や膜の流体力学などをあらわに取り入れた論文をPhys. Rev. Eに発表した。また、平岩徹也氏(東京大学)をソフトマター国際会議に派遣し、成果発表を行った。 外国人研究者の招聘では、K. Mallick(CEA, Saclay、フランス)、JIMENEZ RUIZ Aila (University of Seville, スペイン)等を招へいし共同研究を実施したほか、国際会議SFS2017に7名を招へいし、関係研究室を訪問するなど活発な議論を行った。
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