国際活動支援班
本領域は我が国の研究者が各分野で行ってきた研究の成熟,ALMA望遠鏡の運用開始,彗星や小惑星への探査計画の推進により,宇宙科学において氷や有機物などの重要性が高まっていることを踏まえ,各分野での最先端研究を世界に類のない学際融合研究として発展させ,宇宙での物質の進化を統一的に理解し,惑星系形成論に化学的視点を初めて導入することをめざし,発足した.この新たな学融合研究創出が宇宙分子進化研究のブレークスルーとなることを世界に発信する.また,日本発の学融合研究をさらに確固たるものにするための国際連携を強化する.さらに,関連分野で国際的に活躍する次世代研究者の育成に努める.国際研究ネットワーク強化では,昨年度交流協定を締結したスペインのInstitute of Structure of Materials-CSICの研究者が北海道大学を訪問し,共同研究に関する議論を行った.また,3件の国際シンポジウムやワークショップを開催した:Workshop on Experimental Cosmochemistry,Workshop on Interstellar Matter2016,Solar-System Symposium in Sapporo 2017.これらシンポジウムに指導的な研究者から若手まで多数の研究者を招聘するとともに,その前後に北海道大学・東京大学等で更なる議論や共同研究を行い,当該領域の進展に大きな寄与をした.次世代研究者育成では,若手研究者若手研究者を海外の研究機関等に派遣し,International Schoolで講師,氷の生成機構,有機物の分析法,赤外線検出器に関する議論・情報収集等を行い,宇宙分子進化の研究に重要な貢献を行った.大型国際計画との連携では,OSIRIS-REx科学チームとの共同研究促進のための会合に研究者を派遣し,継続的な共同研究を行っている.
2: おおむね順調に進展している
国際研究ネットワーク強化,次世代研究者育成,大型国際計画との連携は計画通りに行われた.国際研究ネットワーク強化では,スペインのInstitute of Structure of Materials-CSICの研究者が北海道大学を訪問し,共同研究に関する議論を行うとともに成果を共著の論文として出版した.また,3件の国際シンポジウムやワークショップに指導的な研究者から若手まで多数の研究者を招聘するとともに,その前後に北海道大学・東京大学等で更なる議論や共同研究を行い,当該領域の進展に大きな寄与をした.次世代研究者育成では,若手研究者(のべ5名)を海外の研究機関に派遣した.International Schoolで講師を務めたり,有機物の分析法について議論・情報収集し,分子雲実験班が作製した有機物の分析の高精度・高感度化が期待されている大型国際計画との連携では,OSIRIS-REx科学チームとの共同研究促進のため,OSIRIS-REx科学会議に3名の研究者を派遣した.これらの活動により,OSIRIS-RExで採取する試料の分析を日本側の研究チームでも行えることとなった.以上のことから,研究は,ほぼ当初の計画通りに進展していると考えている.
基本的には,当初の計画通り研究を推進していくことで,研究目的を達成できると考えている.国際研究ネットワークの強化では,交流協定を締結したスペインのInstitute of Structure of Materials-CSICと北海道大学低温科学研究所の研究者が相互訪問し,共同研究の更なる推進を図る.海外から指導的立場の研究者を2名程度,2週間程度招へいし,「宇宙分子進化シナリオ」の深化・拡張に関する議論をおこなう.海外の若手・中堅研究者を招へいし,本領域との共同研究(特に実験的研究)をおこなう.さらに,本領域の若手・中堅研究者を海外研究機関に派遣し,本領域の研究に関連した共同研究を実施する.次世代育成では,海外研究機関の施設・装置を利用した研究,および関連分野の海外研究機関を訪問し研究発表や議論をおこなうために,若手研究者数名を派遣する.また,海外研究機関の若手研究者を長期にわたって受け入れ,本領域の研究に参加させる.国際大型計画との連携では,ALMA望遠鏡,OSIRIS-RExなど国際大型計画に関連した議論を継続するために,本領域研究者数名の派遣を支援し,本領域の成果の発信ならびに協力体制の強固に努める.
先方の事情により外国人研究者の来日が来年度に延期となった.若手研究者(公募)の海外派遣が、所属機関(身分)の変更により, 別途経費で行われた.
2017年度秋に外国人研究者招へい予定. また若手研究者(連携研究者)を9-10月、11月、2-3月に各2週間程度海外に派遣, 次世代研究者育成をはかる.
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 10件、 招待講演 2件) 備考 (2件) 学会・シンポジウム開催 (3件)
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