国際活動支援班
2019年度は研究代表者枠派遣のべ3件、若手研究者派遣のべ9件、海外研究者招聘のべ8件、海外若手研究者招聘のべ20件を実施した。2019年度は本基金による国際共同研究で新たに7報の論文が掲載された。また、同時に若手交流促進や人材育成に貢献している。[A01]宇宙からひも解かれる生命分子基盤の理解を達成目標に、重力はじめ力学的ストレスに対する細胞、神経―筋の細胞間、筋や腱組織のメカノセンシング機構からの適応応答、発達制御、長期無重力や加齢による萎縮・破綻に至る仕組みについて、バイオイメージングやトランスクリプトーム、プロテオーム等先端手法を用いて解析を進めている。[A02]生命体が個体として有する高次恒常性・適応機構と生命医学への展開として、重力と閉鎖環境に対する循環系、前庭系、精神・自律神経系、睡眠・覚醒、統合的理解を、ヒトを主な研究対象とし、生理・生化学的データ、遺伝子発現、エピゲノム解析、さらにはメンタルストレスに対する新たな客観的評価分析法を開発するなど、基礎医学的解析を中心に実施している。[A03]宇宙環境によるリスク因子研究とその克服として、宇宙放射線の中でも特に単位面積当たりとして少ないが、高いエネルギーを付与する重粒子放射線、重力変化と宇宙放射線の複合作用、太陽紫外線を含む様々な宇宙放射線、無重力に伴うバイオフィルム形成や遺伝子伝播を含めた微生物間相互作用への影響について評価・分析し、リスク対策方法の開発を展開している。領域課題の横断・補完的研究[B01]で、放射線被ばくによる細胞ダメージや細胞周期の可視化等を行っている。
2: おおむね順調に進展している
国際活動支援班基金5年目最終年度の2019年度は、本基金による国際共同研究で新たに7報の論文が掲載された。また、2019年度は外国への研究者派遣や、外国からの研究者招聘件数が前年度よりさらに増加し、ほぼ当初計画のレベルまで取り戻した。以上の理由により、おおむね順調に進展していると考える。
これまでの派遣、招聘を元に始まった国際共同研究の成果とりまとめを行う。国際共同研究の成果に加え、若手が育っており、基金を有効活用できたことを示せる見込みである。
新型コロナウイルス感染症の影響で、予定していた一部の国際活動支援班活動(海外派遣等約3件)が実施出来ないことが判明し、調整の結果、国際活動支援班活動を2020年9月まで延期する必要が生じた。新型コロナウイルス感染症の動向を見ながら、可能な範囲で国際活動支援班活動を行う方針である。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 14件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
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https://living-in-space.jp/