国際活動支援班
本領域研究を国際的に競争力の高いものに育成するには、様々な海外の動向を見極めながら、高いレベルのサイエンスを実践する必要がある。その意味からも、様々な海外の幹細胞・エイジング・疾患研究拠点との連携・共同研究と、若手研究者を海外の研究機関に派遣し次世代研究を担う人材を育成することが重要である。本国際活動支援はこれらの活動を支援するものである。(1)当初の計画通り、EUのエイジングシステム医学研究プロジェクト "SyStemAge" のAnnual meetingに総括班の須田と連携研究者である菊繁が出席し、情報交換と共同研究を進めている。(2) Lund Stem Cell Center (スウェーデン・ルンド大学) とCancer Science Institute of Singapore (シンガポール大学) との連携を継続し交流を行った。(3) グルタミン代謝を介した肥満-NASH/HCC制御機構の解明の共同研究を行うために、計画分担班員の横手研究室の助教である鈴木佐和子を、Columbia大学 Biological Science Carol Prives教授の研究室に10ヶ月派遣した。造血幹細胞エイジング研究のために領域代表の岩間研究室の博士研究員である小出周平をルンド大学の幹細胞研究所三原田賢一准教授のもとに長期派遣を開始した。さらに、公募班員の川上厚志研究室の博士研究員の安藤和則を骨発生とエイジング研究のために、デューク大学医学部のKenneth D. Poss研究室に長期派遣を開始した。(4) 公募班員である滝澤 仁(熊本大学)を「炎症性因子による造血幹細胞老化のメカニズム」の共同研究実施のために、韓国KAIST研究所に短期派遣した。(5) フランス科学国立研究センター(CNRS)のEstelle Duprez博士を千葉大学岩間研究室に短期間招聘し、またその博士研究員であるMathilde Poplineau博士を千葉大学に7ヶ月招聘し、造血幹細胞のエイジングのエピゲノム制御の共同研究を実施した。その他、短期招聘・派遣を積極的に行った。
2: おおむね順調に進展している
H29年度は、順調に国際活動を実施することができた。本研究領域の立ち上げにおいて、総括班に海外連携委員会を設置し、EUのエイジングに関するシステム医学研究 "SyStemAge"との連携を継続するとともに、その領域代表であるHeidelberg大学のAnthony Ho教授との共同研究も進めている。また、領域代表の岩間がハイデルベルグ大学を訪問するなど、国際活動を意識した活動を強化した。また、国際的に評価の高い海外研究者の招聘やポスドクの相互派遣等に係る相手国研究者、研究機関との交流が進み、長期派遣は3名、短期派遣は2名行い、海外からも長期滞在研究員を1名受け入れるなど、昨年以上に支援活動を行うことができたと考えている。
1. 海外拠点との連携: "SyStemAge"のHo教授の招聘や本領域から"SyStemAge" Annual meetingへの参加を継続し、共同研究を進める。Lund Stem Cell Center (スウェーデン・ルンド大学)とCancer Science Institute of Singapore (シンガポール大学)の研究者を招聘し、情報交換とともに、共同研究について議論する。その他にも連携先を拡大し、海外研究者の招聘や当領域研究者の短期派遣を積極的に行う。2. 若手研究者の長期派遣:H28年度に引き続き、造血幹細胞エイジング研究のために、領域代表の岩間研究室の博士研究員である小出周平のルンド大学への長期派遣と、骨発生とエイジング研究のために、公募班員の川上厚志研究室の博士研究員の安藤和則のデューク大学医学部への長期派遣を継続する。3. 若手研究者の短期派遣ならびに受け入れ:随時派遣の希望を取り、積極的に若手研究者の派遣を行う予定である。また博士研究員や若手PIの短期派遣(3~4名)を行う予定である。4. 若手研究者の受け入れ:連携機関との共同研究のために、海外連携機関の博士研究員や若手PIの受け入れ(1~2名)を行う。また、新たに共同研究が開始されている海外研究機関については、共同研究推進の観点から優先的に人的交流のための支援を行い、海外活動を活発に実施する。
(理由)留学などの派遣が予定よりも遅れてしまい、繰越になってしまった。派遣が取りやめになったわけではなく、H30年度の派遣として使用する予定である。(使用計画)派遣継続予定者は決まっており、派遣継続に使用する予定である。
すべて 2017 その他
すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 備考 (1件)
Cell Stem Cell
巻: 21 ページ: 225-240
10.1016/j.stem.2017.06.013
Clin Cancer Res.
巻: 23 ページ: 4817-4830
10.1158/1078-0432.CCR-16-2735
Sci Transl Med
巻: 8 ページ: 350ra104
10.1126/scitranslmed.aad6066.
http://www.m.chiba-u.ac.jp/class/molmed/stemcellaging/international/index.html