研究領域 | 酸素を基軸とする生命の新たな統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
15K21759
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 泰生 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (80212265)
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研究分担者 |
山本 雅之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50166823)
南学 正臣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90311620)
武田 憲彦 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40422307)
井上 正宏 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 総括研究員(生化学部門長) (10342990)
赤池 孝章 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20231798)
西田 基宏 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90342641)
浦野 泰照 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20292956)
飛田 成史 群馬大学, 理工学研究科, 教授 (30164007)
中川 秀彦 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80281674)
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研究期間 (年度) |
2015-11-06 – 2019-03-31
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キーワード | 酸素生物学 |
研究実績の概要 |
新学術領域研究「酸素生物学」の国際活動支援班はそれを構成する、国際ネットワーク構築委員会、国際共同研究推進委員会、研究派遣企画・実行委員会の3つの委員会が中心となって活動を推進した。 1.ヨーロッパを代表する生理学国際誌、Pflugers Archiv. European Journal of Physioologyにおいて、酸素生物学分野のSpecial Issue(本領域から複数名著者として参加)をExecutive Editorを務めている森が編集し、2016年1/3月号で発刊した。また、ドイツハイデルベルグSpringer本社における編集会議において(2015年7月13日)、酸素生物学分野の重要性に関する議論を行った。 2.研究派遣企画・実行委員会は、既に進行中で最重要の「個別的」な国際共同研究を遂行、支援した。森は、Michel Ronjat氏(University Joseph Fourier, France)を招へいし、イオンチャネル及び神経細胞シグナルとレドックスとの関連について共同研究を行った。赤池は、金木正夫、市瀬史(Harvard University, USA)各研究室との共同研究により成果を挙げた。中川はインド・アムリタ大学産業科学開発センターのSankarprasad Bhuniya教授との共同研究により、活性イオウ検出プローブおよびガラクトシダーゼ活性検出プローブの開発研究を行い、共通機器である共焦点蛍光顕微鏡を用いることで、細胞内挙動および細胞応用時の性能について検証した。山本は、日米癌合同会議(マウイ、米国)ではピッツバーグ大学Tomas Kensler教授と低酸素・酸化ストレス応答系と発がん機構の関連を、またミシガン大学(アナーバー、米国)ではミシガン大学James Douglas Engel教授と赤血球産生制御における遺伝子発現制御機構の共同研究の打ち合わせを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請書に計画した今年度の予定に関しては予想以上に順調に遂行できた。交付が11月であったが、本領域の総括班では、既に国際ネットワーク形成に力を入れいたことから、スムーズに国際支援班を立ち上げることが出来た。特にネットワーク形成の主要ルートのうち、第一のルートPflugers Archiv.においては森がExecutive Editorを務めており、酸素生物学分野のSpecial Issueの編集を進めていた。第二のルートである、体内低酸素環境と心臓・腎臓機能との連関の解明を目指すヨーロッパ、日本、オセアニアの有力大学の研究コンソーシアム、CARPEDIEMにおいては、南学が設立時から中心的役割を果たしており、2015年7月25日は既に東京で合同会議を開き酸素生物学に関する議論、情報交換、個別的な共同研究の相談等を行った。また、国際支援班の各班員は研究が大きく展開できていることにより、当初の予定よりもさらに積極的に国際共同研究を推進できている。今回の国際支援の枠組みからの研究資金が非常に大きな貢献を果たしたと言える。
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今後の研究の推進方策 |
国際ネットワーク構築委員会は、引き続き、新学術領域研究「酸素生物学」が中心的役割(付随的な役割でなく)を担えるネットワークづくりを目指す。具体的には、Pflugers Archiv. Executive Editor会議に森が参加し、ジャーナルにおける最重要分野として酸素生物学が認識されるべく、独立したセクション「酸素生理学」の成立に結びつける活動を開始する。また、CARPEDIEMにおいても引き続き、研究派遣・受け入れ、情報交換を継続する。ネットワークの他諸外国、例えば、米国等への発展を、山本、赤池の有する活性酸素種・親電子物質研究のネットワークを利用することにより図る。 国際共同研究推進委員会は、アメリカ、オセアニア、アジア等に動向調査を拡大し、さらなるネットワークの構築にフィードバックする。一方、2回目の公募を行い、共同研究網を拡張する。 研究派遣企画・実行委員会は、平成27年度からの共同研究に加えて、新たに井上・森とJoan S. Brugge (Harvard University & Ludwig Center (Director), USA)研究室との共同研究を始める。また、平成27年度に行った第一回目の公募により選ばれた新規国際共同研究をスタートさせる。人的国際交流では、山本、南学、西田はそれぞれUniversity of Cambridge、Uppsala University、Mahidol University、University Malaysia Sabahから研究者を招へいする。さらに赤池、武田、南学、西田は、それぞれWashington State University、Harvard University、University of Vermont、Inserm、Bristol University、University of Auckland、University of Central Florida、University of Texas Health Science Centerに研究者を派遣する。
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次年度使用額が生じた理由 |
交付が11月であったため、国際共同研究遂行がずれ込み、物品費および旅費ので使用もずれこんだため。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分は、予定した国際共同研究に使用する。
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